熱構造部
人工衛星製造時に内在する最も恐れるもの Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-GSFC_20171208_Archive_e001786 今回、この写真で注目するべきは、右側の彼です。 彼は何をしているのでしょうか? 答えは接地用のケーブルを操作しているのです。 …
光学観測機器の構造系の重要性 Credits: NASA 構造系において、性能を上げるという問題はなかなか起きない。 構造系の山場の一つは、ロケット打ち上げによる振動環境から人工衛星の各機器を保護することにある。 もう一つは、軌道上での温度変化を各機器から…
人工衛星が落ち着く場所 日本語において、極(きょく)という言葉は、様々な意味を持ちます。 その中で、「最果て」、「はて」という意味を持っています。 極 - Wikipedia 極(きょく)の意味や使い方 Weblio辞書 極(きょく)とは - コトバンク 地球上で、人工衛…
応力腐食割れとアルミニウム合金 宇宙ではアルミニウム合金がよく使用されています。 コスト的には鉄の方が良い場合もありますが、軽量であることと高い強度を持つことが挙げられます。 高い強度を持つということは単純に強いと理解していただければ問題あり…
宇宙での技術転用はスピンオフと呼んでいる Credits: NASA スピンオフと聞くと、物語の派生あるいは外伝を思い浮かぶかもしれませんが、宇宙での技術転用もスピンオフと呼んでいます。 ja.wikipedia.org 今回は、有名なスピンオフや思わぬスピンオフについて…
機械系の扱いやすさは地上操作によるもの Credits: NASA 人工衛星の扱いやすさは軌道上に上がって運用時での取り扱いのしやすさによります。 今後、多くの人が人工衛星のデータを取り扱ったり、ミッション機器の操作をするには運用時の取り扱いのしやすさを…
広義的には熱試験と熱真空試験と熱平衡試験と熱サイクル試験はすべて熱試験 Credits: NASA 人工衛星の計画を確認したり、契約上定められた試験を示すときに、熱試験の定義はしっかりと確認した方がいいでしょう。 なぜならば、各組織において熱試験の定義が…
機械系は熱試験において温度調節の条件も確認あるいは指示する必要がある Credits: NASA 唐突ですが、コンポーネント担当として、熱の条件すなわち温度範囲を設定しておく必要があります。 この温度範囲をもとに、熱試験の温度調節を行う必要があります。
人工衛星の構造体といえば、ハニカムパネルである。 ハニカムパネルは航空機に使われているが、電車にも使用されています。 山手線か京浜東北線か忘れましたが、ドアの近くに立ってみると気づきます。窓に貼り付けられているガラスの端からみると、ハニカム…
熱解析は構造解析と一味違う 熱解析は通常の解析が難しいのです。 最悪のパターンであったり、最良のパターンの解析の方が解析しやすいんですね。 最悪のパターンと、最良のパターンの平均が必ずしも通常の熱環境というわけではないのです。 だけど、多くの…
CAEで困ること Credits: NASA 構造解析におけるCAEの最適化は、考え方をシンプルにすることです。 CAEとはComputer Aided Engineeringの略です。ただ、日本語に直してもコンピュータ工学支援という、意味が広すぎてよく分かりません。 単純にいうと、コンピ…
振動試験ジグ設計のポイント Credits: NASA 人工衛星に限らず環境試験のひとつである振動試験は通常の製品でも試験が行われる。 大抵の場合は輸送振動試験などの包装時や梱包時の試験が多いようです。 振動試験のジグ設計のポイントですが、そもそも振動試験…
略語たくさんな世界 世の中には業界用語がたくさんありますが、宇宙業界も多分に漏れず略語がたくさんあります。 NASAはNational Aeronautics and Space Administrationの略ですし、JAXAはJapan Aerospace eXploration Agencyです。 さらに言うならESAはEuro…
人工衛星の話があまりなかったんだけど。 構造解析用のソフトウェアについて Credits: NASA いくつか解析ソフトを使用してきましたが、最近は、3DCADソフトの追加オプションでもシミュレーションができるような有償ソフトも増えてきました。 プロフェッショ…
構造シミュレーションは、手計算ではだめなのか 流体解析 Credits: NASA 人工衛星では、様々な計算、解析、シミュレーションを行います。 その一つが構造計算です。 構造計算というと、古典的な2次モーメントで計算することもありますが、最近はソフトウェア…
地球の大気圏落下における溶融計算をみてみる デブリも大変ですが、地球の大気圏でちゃんと燃え尽きるか確認しなければなりません。 確認方法は、実験なんて大抵できないので解析を行います。 宇宙活動2法でも各部品に対して溶融解析をするように決められて…
宇宙活動2法における落下の考え方 Credits: NASA 人工衛星が大気圏突入するときに考える事項はなんだろうか、落下した時に人に当たらないかどうかということを考えます。 人工衛星においては、再突入と地球への制御突入が該当します。 ロケットにおいては、…
デブリが、ゴミが、というのは聞き飽きているし 人工衛星で、最近よく言われることはスペースデブリです。 デブリは宇宙空間に浮かぶ金属の塊です。 正確には金属の塊というより人工物の塊です。 軌道上にいって、コインを軌道上に投げれば、それはもうデブ…
電波を知るのはなぜか 電波を見てみたい人がいたらしい。 見てみたければ、携帯電話というかスマートフォンのアンテナマークを見てみると、どれだけの電波が自分に当たっているか分かります。
フッ素樹脂ケーブルは少し硬くて、高い 宇宙用ケーブルはいくつかあり、フッ素樹脂によるケーブルはその一つです。 耐溶剤性、耐薬品性の高いテフロンがフッ素樹脂の一つですね。テトラフルオロが含まれる化合物なんですね。 フッ素樹脂ケーブルは、フッ素化…
シリコーン系の接着 シリコーン接着剤は、人工衛星でなくとも使った人は多いと思います。人工衛星でも使用されることは多いです。 人工衛星ではエポキシ系とシリコーン系の2つがもっとも使われます。 エポキシやシリコーン以外にもアクリル系やブタジエンゴ…
トレースするために必要な情報であるロット番号 過去からの人たちはどうやって気づいたのか、電子部品の性質はロット(Lot)によるところが少なからずあるらしい。
ハーネスの重さを甘く見てはいけない ハーネス、ケーブル、ワイヤ、電線、線材など呼び方はそれぞれあるが、どうもハーネスという呼び方が自分の居た業界では多いように感じています。 人工衛星に限らず、ハーネスは人間でいうと、血管や食道、神経といった…
宇宙以外の環境試験条件 提供:NASA 宇宙環境が特殊というように思えますが、地上の中にも多くの環境にさらされてます。 ある文献によると物体に対して外部から影響のある環境条件には自然環境と誘発環境があるようです。 自然環境と誘発環境をもとに、環境…
衝撃試験は打上げ中の振動の試験ではない 提供:NASA 人工衛星にかかる衝撃は、次のものがあります。 人工衛星製造施設からロケット打上げ施設までの輸送時の衝撃 ロケットのPOGO(ポゴ)振動※と呼ばれる液体ロケット特有の衝撃 ※振動ですが、数十秒の短時間振…
世間一般の振動試験とロケットの振動は? 世間での振動試験というと、主に自動車と鉄道、包装貨物の試験がJISで規定されているようです。 JIS Z 0232 包装貨物ー振動試験方法 JIS-D-1601 自動車部品振動試験方法(正弦波) JIS E 4031 鉄道車両用品ー振動およ…
日本政府の作成した人工衛星用機器のサイトを知っていますか 各省庁で人工衛星の利用に関するページが存在しています。 今回は経済産業省で実施している宇宙産業のページの中にある「Maketsat.com」を利用して人工衛星を夢想したいと思います。
人工衛星のシステムインテグレーション 提供:NASA 人工衛星を組み立てた後に、組立後の試験を実施します。 それまでは、人工衛星に搭載する機器の個別の単体の試験を実施しています。 このあたりが人工衛星製造におけるシステムインテグレーションと呼ばれ…
材料データベース 提供:NASA 人工衛星に関わらず機械設計をしている人は材料のデータベースや製品のスペックシート、Web上に記載されている仕様情報を確認する人が多いと思います。 熱構造系、機械設計者であれば強度や熱物性などを使っていきます。 これら…
人工衛星の熱の放射率について 熱を考える上で必要な検討要素は、伝導と対流と放射です。 突然、熱設計を任されると忘れちゃうんですよね。