宇宙活動2法における落下の考え方
人工衛星が大気圏突入するときに考える事項はなんだろうか、落下した時に人に当たらないかどうかということを考えます。
人工衛星においては、再突入と地球への制御突入が該当します。
ロケットにおいては、ロケット発射から飛行安全管制期間と再突入フェーズが該当しています。
人工衛星のはやぶさやはやぶさ2の行うサンプルリターンは、制御突入に該当しています。
法において、空中で燃焼させることで、地表に落下しても問題ないことを示すことを明記しているのです。
では、どのように計算するのか、文字にすると簡単です。
すべての部品を洗い出し、燃焼するか確認するというものです。
一番早いのは流体計算ソフトウェアを使用することですが、手計算で概算して求めることも可能なので、下記に空力加熱の文献を残しておきます。
L-4Sの空力加熱がおすすめ。
もし溶け残ったとしても、その物体の面積から、人にぶつかるかを計算します。
確率は10のマイナス4乗、すなわち1万分の1未満であることです。
参考
https://www.ipa.go.jp/files/000036239.pdf
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/housei/dai3/siryou3.pdf
3分でわかる宇宙活動法〜ロケット打上げ計画〜|Ryosuke Hoshi(3分でわかる宇宙法)|note
https://note.mu/rys_star/n/n20455a1d61a1
http://sciencetips.web.fc2.com/kanetsu100.html
JAXA Repository / AIREX: L-4S-4号機第4段の空力加熱
https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/handle/a-is/7774
JAXA Repository / AIREX: L-4Sの空力特性(ラムダ4S型ロケット)
https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/handle/a-is/3750
軌道から落下した時に考慮する人口分布について
NASAでは数多くのデータを提供しており、人口分布に関するデータも提供しています。
宇宙活動法2法の中にも参考として挙げられている世界人口分布について紹介します。
https://sedac.ciesin.columbia.edu/data/collection/gpw-v4
アクセスすると英語でいろいろ書かれていますが、左サイドバーの"Collection Overview"を見てください。
その中の"Data Sets"を選択すると、右画面に選択するデータが表示されます。
"Population Count"でも”Population Density”でも、どちらでも好きな方を選択してください。結果として変わりません。
人口数とするか人口密度で計算するかの違いなので好みとなります。
その中で"DataDownload"を選択し、最新のデータを選択してDownloadすれば完了です。ダウンロードする際には、思いのほか時間がかかるので、少し待ちましょう。
ダウンロードする際には、アカウント登録が必要ですので注意してくださいね。
データをダウンロードすると、いくつかの説明文の後に、数値がたくさん並べられています。
私のやり方を紹介します。
ダウンロードしたzipを展開します。
.ascファイルをエディタソフトで開き、すべてコピーします。
エクセルを開き、テキストファイルウィザードで、カンマやタブなどの区切り文字...のチェックを入れましょう。
表示された数値が緯度経度ごと人口カウントなんですね。
0のほとんどは海です。
エクセル上で10%で表示すると世界地図のようになりますね。
南極や北極に人口カウントがない所から見ると、住所登録的なものでデータを取得しているのかもしれませんね。
この人口データだけでは確率は計算できません。
計算方法については変更される可能性があるので、宇宙活動法の傷害予測数計算条件及び方法(人工衛星)を確認してくださいね。
参考
Gridded Population of the World (GPW), v4 | SEDAC
https://sedac.ciesin.columbia.edu/data/collection/gpw-v4
宇宙活動法に関する申請受付について : 宇宙政策 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/space/application/space_activity/application.html