往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是

往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是 宇宙blog

人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

応力腐食割れは構造解析で計算できない。アルミニウム合金A7075と調質の関係【宇宙機と材料】

応力腐食割れとアルミニウム合金 宇宙ではアルミニウム合金がよく使用されています。 コスト的には鉄の方が良い場合もありますが、軽量であることと高い強度を持つことが挙げられます。 高い強度を持つということは単純に強いと理解していただければ問題あり…

スピンオフ!宇宙の技術を日常品に転用した製品【宇宙技術と民間技術】

宇宙での技術転用はスピンオフと呼んでいる Credits: NASA スピンオフと聞くと、物語の派生あるいは外伝を思い浮かぶかもしれませんが、宇宙での技術転用もスピンオフと呼んでいます。 ja.wikipedia.org 今回は、有名なスピンオフや思わぬスピンオフについて…

ムーンショットって、なんだかきれいな響きだけど、どういう意味?【破壊的イノベーションと月に行く】

Credits: NASA 近年、政府の政策でムーンショットという言葉を聞くようになりました。 ムーンショット、月を撮ると直訳するその言葉は文面の通り月を撮ることを含んでいます。

宇宙のデータを使った技術【宇宙機とインフラ】

インフラを整えるアウトプット 現在、宇宙業界のインフラストラクチャーを整えるために、日本をはじめ世界各国で様々な動きがあります。 宇宙業界のインフラとは、人工衛星やロケットをシステムとして製造できるシステムメーカーに始まり、国内で必要な機器…

宇宙関連施設(に限らず)の清浄度や試験環境や輸送衝撃荷重、そして火星の要求【宇宙機と清浄度、地上環境】

クリーンルームは清浄度の管理された部屋のことである Credits: NASA クリーンルームは、ゴミ一つない清浄な部屋という印象を持つかと思います。 正確には違うのです、清浄度が管理された部屋なのです。 ゴミ一つ落ちていなければ、掃除をする必要もないでは…

機械系で忘れてはいけない衛星の地上試験中の扱いやすさ【宇宙機と構造体】

機械系の扱いやすさは地上操作によるもの Credits: NASA 人工衛星の扱いやすさは軌道上に上がって運用時での取り扱いのしやすさによります。 今後、多くの人が人工衛星のデータを取り扱ったり、ミッション機器の操作をするには運用時の取り扱いのしやすさを…

熱試験と熱真空試験と熱平衡試験と熱サイクル試験は微妙に違う【宇宙機と熱試験】

広義的には熱試験と熱真空試験と熱平衡試験と熱サイクル試験はすべて熱試験 Credits: NASA 人工衛星の計画を確認したり、契約上定められた試験を示すときに、熱試験の定義はしっかりと確認した方がいいでしょう。 なぜならば、各組織において熱試験の定義が…

振動試験よりも、実は熱試験が山場【宇宙機と熱試験】

機械系は熱試験において温度調節の条件も確認あるいは指示する必要がある Credits: NASA 唐突ですが、コンポーネント担当として、熱の条件すなわち温度範囲を設定しておく必要があります。 この温度範囲をもとに、熱試験の温度調節を行う必要があります。

コンステレーション衛星の考え方の一つ【宇宙機と宇宙機群】

衛星コンステレーションを聞いたことがあるでしょうか。 特定の目的あるいはミッションを達成するために、複数機の人工衛星群を示しています。 個々の人工衛星は、軌道上でそれぞれ運用されるのですが、特定の目的あるいはミッションにおいて、協調したシス…

阿吽の呼吸を信じるな! 業務の引継ぎとデリゲーションポーカー【途中参入したプロジェクト】

阿吽の呼吸は信じるな 人工衛星プロジェクトに限らず、経験して思ったことは、阿吽の呼吸なんて信じてはいけない。

人工衛星画像の分解能/解像度で見えるもの【衛星の画像分析】

人工衛星の製品仕様分解能/解像度について 光学あるいはレーダの人工衛星でよく言われる製造仕様は分解能/解像度です。 解像度とは、地球観測衛星に載せられたセンサが、地上の物体をどれくらいの大きさまで見分けることができるかを表す言葉です。解像度が…

独り言 飛び込み営業の思い出

かつて年次研修で飛び込み営業を経験したことがある。 営業職ではなく、技術営業でもなく、技術職の環境にもかかわらずである。 アポなしが推奨され、度胸が試されるというものだが、年次行事であるため、突撃される場所もほとんど同じになる。 そこで聞いた…

NASAの電離層衛星ICONについて【NASA人工衛星】

電離層観測衛星ICONを知っているでしょうか Credits: NASA 2019年10月10日に、アメリカの電離層探査衛星がアメリカのケープカナベルでPegasus XL(Northrop Grumman Innovation Systems社)により打上げられました。 www.youtube.com

ハニカム構造・ハニカムパネルの歴史【宇宙機と構造体】

人工衛星の構造体といえば、ハニカムパネルである。 ハニカムパネルは航空機に使われているが、電車にも使用されています。 山手線か京浜東北線か忘れましたが、ドアの近くに立ってみると気づきます。窓に貼り付けられているガラスの端からみると、ハニカム…

人工衛星に低故障率や信頼性が求められる理由【宇宙機と軌道上ミス】

人工衛星は打上げたら手を出せない問題 人間が物理的に手が及ぶ範囲は決まっています。 近年の日本ではスマートフォンが手に収まっており、常に操作できる。常にコントロールできるということは、人に安心感を与えているような気がします。 不安になることを…

からあげクンが宇宙に打ち上がる日【宇宙食】

食品とは精神安定剤の一つである Credits: NASA 国際宇宙ステーションでは、宇宙空間という閉鎖空間以外にも、重力がないこと、昼夜がはっきりしないこと、少人数生活などのストレスを人間に加え続けます。 人間にはストレスを緩和させることのできるアクシ…