往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是

往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是 宇宙blog

人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

宇宙業界の戦略を立てるための前提知識【宇宙と戦略】

戦略とは弱者のためのツールである 開発関係やビジネスとしての展開、今後の宇宙に関わる注目すべき関連業界、そして雑学や歴史といった記事が多い中、戦略を立てるための前提知識についてまとめらえている記事は少ないですね。 個別で展開されていたり、そ…

人工衛星のシステム設計-まずは人工衛星の機能から知ってみよう-【宇宙機とシステムエンジニアリング】

システム設計について、なんとなく書いてみる Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-GSFC_20171208_Archive_e001387 今回のこの写真では、人工衛星が回転テーブルの上で1秒に約1回転の速度で回っています。扇風機が1秒間に50か60回転するので、扇…

構造と温度変形に影響する観測機器【宇宙機と構造】

光学観測機器の構造系の重要性 Credits: NASA 人工衛星の構造系において、構造系自体の性能を上げるという問題はなかなか起きません。 人工衛星の構造系の山場の一つは、ロケット打ち上げによる振動環境にあります。 ロケットの振動から、人工衛星内部機器を…

静電気と人工衛星の関わり【宇宙機と放電学】

人工衛星製造時に内在する最も恐れるもの Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-GSFC_20171208_Archive_e001786 今回、この写真で注目するべきは、右側の彼です。 彼は何をしているのでしょうか? 答えは接地用のケーブルを操作しているのです。 …

構造と観測機器の関係-振動擾乱の情報の少なさ編-【宇宙機と構造】

光学観測機器の構造系の重要性 Credits: NASA 構造系において、性能を上げるという問題はなかなか起きない。 構造系の山場の一つは、ロケット打ち上げによる振動環境から人工衛星の各機器を保護することにある。 もう一つは、軌道上での温度変化を各機器から…

SDGsと宇宙技術の具体例やターゲットを再確認する【宇宙と国連】

持続可能な開発目標(SDGs)とは SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、Sustainable Development Goalsの頭文字から取られています。 2015年9月に、ニューヨーク国連本部において、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択…

黒潮の大蛇行で起きていること【宇宙機と観測データ)

黒潮は世界二大海流である 世界最大級の海流として、北大西洋の湾流(メキシコ湾流)とともに、日本近海の黒潮があります。 黒潮は日本列島の南にあるフィリピンから北へ流れる暖流です。 黒潮とぶつかるように、日本列島の北側、ロシアのカムチャッカ半島方…

地球上に存在する到達不能極【宇宙機とポイント・ネモ】

人工衛星が落ち着く場所 日本語において、極(きょく)という言葉は、様々な意味を持ちます。 その中で、「最果て」、「はて」という意味を持っています。 極 - Wikipedia 極(きょく)の意味や使い方 Weblio辞書 極(きょく)とは - コトバンク 地球上で、人工衛…

ジャンク軌道(墓場軌道)という大気圏突入だけではない人工衛星の終わり方【宇宙機と軌道設計】

人工衛星の軌道にはジャンク軌道が存在する 宇宙活動法において、役目が終わった人工衛星は地球の大気圏に突入させる以外に墓場軌道(廃棄軌道)に再配置することとあります。 墓場軌道だと書いていて重くなってしまうため、graveyard orbit, junk orbit とい…