往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是

往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是 宇宙blog

人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【宇宙機とロケット】本州最南端に建設!ロケット打上げ射場は北と南と東がGood

ロケット射場の選び方 Credits: NASA ロケット射場が2019年に新たに建設開始したようですね。2020年には建設が終わるそうです。 ロケット射場って、簡単に言うと、ロケットの発射地点です。 ロケットなので宇宙に飛ばす地点、すなわち、宇宙に早く行ける場所…

【宇宙機と熱解析】熱解析で困ること

熱解析は構造解析と一味違う 熱解析は通常の解析が難しいのです。 最悪のパターンであったり、最良のパターンの解析の方が解析しやすいんですね。 最悪のパターンと、最良のパターンの平均が必ずしも通常の熱環境というわけではないのです。 だけど、多くの…

【宇宙機と構造解析】構造解析で困ること

CAEで困ること Credits: NASA 構造解析におけるCAEの最適化は、考え方をシンプルにすることです。 CAEとはComputer Aided Engineeringの略です。ただ、日本語に直してもコンピュータ工学支援という、意味が広すぎてよく分かりません。 単純にいうと、コンピ…

【環境試験と治具】振動試験と治具について

振動試験ジグ設計のポイント Credits: NASA 人工衛星に限らず環境試験のひとつである振動試験は通常の製品でも試験が行われる。 大抵の場合は輸送振動試験などの包装時や梱包時の試験が多いようです。 振動試験のジグ設計のポイントですが、そもそも振動試験…

人工衛星の地上試験で故障が起きた時は装置も確認を

人工衛星本体と試験装置を分ける Credits: NASA 試験で異常なデータが出た時に、設計者であるならば、ある程度予測はつくでしょう。 回路のどの部分が故障すれが、このデータが発生するのか。 そもそも回路が原因ではなく、ケーブルが原因で発生してしまった…

【宇宙機と業界用語】GSEってなんだと思う?

略語たくさんな世界 世の中には業界用語がたくさんありますが、宇宙業界も多分に漏れず略語がたくさんあります。 NASAはNational Aeronautics and Space Administrationの略ですし、JAXAはJapan Aerospace eXploration Agencyです。 さらに言うならESAはEuro…

【構造解析】構造シミュレーションでつまずくポイント

人工衛星の話があまりなかったんだけど。 構造解析用のソフトウェアについて Credits: NASA いくつか解析ソフトを使用してきましたが、最近は、3DCADソフトの追加オプションでもシミュレーションができるような有償ソフトも増えてきました。 プロフェッショ…

【宇宙機と構造解析】ギリギリための人工衛星の構造計算

構造シミュレーションは、手計算ではだめなのか 流体解析 Credits: NASA 人工衛星では、様々な計算、解析、シミュレーションを行います。 その一つが構造計算です。 構造計算というと、古典的な2次モーメントで計算することもありますが、最近はソフトウェア…

【宇宙機と落下】宇宙活動法の傷害予測数計算(溶融計算)を知る

地球の大気圏落下における溶融計算をみてみる デブリも大変ですが、地球の大気圏でちゃんと燃え尽きるか確認しなければなりません。 確認方法は、実験なんて大抵できないので解析を行います。 宇宙活動2法でも各部品に対して溶融解析をするように決められて…

【宇宙機と落下】宇宙活動法における大気での溶融計算

宇宙活動2法における落下の考え方 Credits: NASA 人工衛星が大気圏突入するときに考える事項はなんだろうか、落下した時に人に当たらないかどうかということを考えます。 人工衛星においては、再突入と地球への制御突入が該当します。 ロケットにおいては、…

【宇宙機と寿命】人工衛星の破壊は

デブリが、ゴミが、というのは聞き飽きているし 人工衛星で、最近よく言われることはスペースデブリです。 デブリは宇宙空間に浮かぶ金属の塊です。 正確には金属の塊というより人工物の塊です。 軌道上にいって、コインを軌道上に投げれば、それはもうデブ…

【宇宙機の目的】人工衛星は運用してデータを得ること

人工衛星を開発することが目的ではない Credits: NASA 目的が手段になっているってよく聞く言葉じゃないですか。 人工衛星を作りたいから作った。 単純に作りたいから作っただけですと、作ることに専念してしまい、作った後どうするのか、目的を見失ってしま…

【宇宙機と通信機】動く人工衛星を追う電波

電波は減衰する 電波は、光であることを知っているでしょうか。 正確には、光の中に電波の性質をもっています。 光が遠く離れると、ぼんやりとした光になったり、光が小さくなって見えることがあると思います。 電波も同じです。 電波も遠く離れると、届かな…

【宇宙機と電波】電波も試験する人工衛星

電波を知るのはなぜか 電波を見てみたい人がいたらしい。 見てみたければ、携帯電話というかスマートフォンのアンテナマークを見てみると、どれだけの電波が自分に当たっているか分かります。

【宇宙機と安全】システム安全について考える

システム的な安全とは 宇宙開発はミサイル開発と切っても切り離せない関係にあります。 初期の宇宙開発ではミサイルあるいはロケット失敗に伴う事故から、安全設計という考え方が生まれたらしいです。 安全設計をシステム設計に取り入れたものをシステム安全…

【宇宙機とノイズ】人工衛星のノイズが影響するものは

ノイズは、自分の人工衛星とロケットのため 宇宙機においてノイズはどういう存在なのでしょうか。 ジャミングという言葉を聞いたことがあるかと思います。 人工衛星も類にはもれず、ノイズはジャミングとなり主に通信関係で邪魔になります。 ノイズとは雑音…

【宇宙機とケーブル】宇宙用ケーブルは肉体でいう血管・神経

フッ素樹脂ケーブルは少し硬くて、高い 宇宙用ケーブルはいくつかあり、フッ素樹脂によるケーブルはその一つです。 耐溶剤性、耐薬品性の高いテフロンがフッ素樹脂の一つですね。テトラフルオロが含まれる化合物なんですね。 フッ素樹脂ケーブルは、フッ素化…

【宇宙機と材料】シリコーンと熱の関係

シリコーン系の接着 シリコーン接着剤は、人工衛星でなくとも使った人は多いと思います。人工衛星でも使用されることは多いです。 人工衛星ではエポキシ系とシリコーン系の2つがもっとも使われます。 エポキシやシリコーン以外にもアクリル系やブタジエンゴ…

【宇宙機と火山】確立してきた人工衛星による火山観測

人工衛星による取得データと火山活動 人工衛星で火山を観察するという記事から人工衛星データの使用方法をまとめてみました。 光学画像:火山の噴火、溶岩の流出、被害状況 近赤外・紫外域画像:噴煙の影響状況、火山の被害状況 SAR画像:地殻変動(5cm程度)…

【宇宙機と電子部品評価試験】通常品質の宇宙用電子部品

宇宙用でなくても使える 高品質、耐放射線性と言われる宇宙用電子部品ですが、一般に売られている電子部品との違いは何でしょうか。

【宇宙機と宇宙線】人工衛星の寿命と宇宙線について

とりあえず人工衛星と動物の寿命と比較してみた 宇宙と放射線でしらべると、どこもかしこも長期にわたり安定した動作を欲しがります。 宇宙に打ち上がると、一部の人工衛星を除き、修理することは不可能である。小型人工衛星はほぼ不可能と言ってもよいでし…

【宇宙機と使用具材】トレーサビリティと材料証明とロット

トレースするために必要な情報であるロット番号 過去からの人たちはどうやって気づいたのか、電子部品の性質はロット(Lot)によるところが少なからずあるらしい。

【宇宙機と次号機】なぜ前のプロジェクトでできたことができなくなるのか

前号機と同じものがつくれない 人工衛星を複数機開発する上で大変なことはいくつかあります。 今回は前号機と同じものを製造するのが難しい理由をいくつか紹介します。 1つ目、部品。 2つ目、情報と知識。

【宇宙機とシステム】システム設計はソフトウェアだけじゃない

システム設計と宇宙機 提供:NASA システム設計と言われるとIT関係やソフトウェアを思い浮かべる人も多いと思います。 さらに言うのであれば、システム設計で検索して出てくるのはソフトウェア設計ばかりです。 ソフトウェアという言葉は出てこなくても、シ…

【宇宙機と機能】人工衛星システムの機能ブロックは必要?

システムとサブシステムの役割の一つ 提供:NASA 人工衛星に限らないかもしれませんが、大人数でプロジェクトを進める場合それぞれの機能を明確にしておく必要があります。 宇宙機でよくあるサブシステムの区分も機能をメインに置いて、宇宙機というシステム…

【機械化検討】作業を効率化するRPFという施策

日本が何十年も前から続けているRPF化 RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)のことを言っています。 様々な手作業をソフトウェアのロボットによる自動化のことです。

【宇宙機とリスク】宇宙は一品物/特注品で何をリスクとするか

リスクが大きい機器とは何か 宇宙に打ち上がる製品として、よくよく、よく言われることは、宇宙に行ったら手が出せない、ということです。