2021-01-01から1年間の記事一覧
JAXA認定品とは、人工衛星、宇宙ステーション、ロケットなどの宇宙機に使用可能な品質レベルを満たしていること部品に対して、製造する設備も含めて認定した対象の電気電子機器及び部品のことをいいます。 また、JAXAでは電気電子機器及び部品のことを認定品…
衛星コンステレーションが話題になって幾日、電波が混線する可能性に気づいた方がいるのではないでしょうか。 今回はSpaceX社の打上げている通信衛星であるスターリンクの混線回避方法について調べてみました。 スターリンク衛星の通信が混線する可能性 電波…
中世の機械工学と宇宙につながるもの 中世の機械工学で生まれた技術という記事を見つけたので、宇宙に絡めて紹介しようと思います。 www.engineersjournal.ie 記事によると、中世は機械工学において、大きな技術革命が発生した時期ではないと多くの人にとっ…
鉱物資源のリモートセンシングとは 農業に人工衛星の観測データが使用されてきています。 農業で使用される観測データは、赤外データを使用しているのですが、同様に金属を検出することができます。 赤外観測装置は、物体が反射や放出された光を観測していま…
SpaceXの外部研究者(アメリカのオハイオ州大学)によって、Starlinkによるインターネットサービス衛星によるブロードキャストされた信号を使用してGPSにように地球上の自分の位置を特定する方法を開発しました。 Starlink衛星は、SpaceX社によって軌道に投…
宇宙機の電源制御システム障害 放射線による過電流での障害は発生します。 mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com 過電流は、突入電流やインラッシュカレント(インラッシュ電流)と様々な呼び方があります。 今回は放射線による過電流ではなく、回…
宇宙開発は数年掛かりで開発します。 しかも、打上げロケットや打上げ軌道が決まっている場合は、スケジュールをずらすことが難しいのが現状です。 数年掛かりといえど、かなりタイトなスケジュールを強いることが多いんですね。 そのスケジュールの中で、機…
宇宙業界で活用されていた技術を日常品(宇宙業界では民生品)に活用していくというのが大きな流れでした。 2010年代後半から、逆に民生品の技術を宇宙業界に取り入れるような流れになってきました。 問題は、宇宙品がとても厳しいという話が広がりすぎて、…
コネクタが緩むと高い電気抵抗が発生する スマホや携帯、PCの電源のコネクタは、取付け・取り外しがし易い形状をしています。 宇宙では逆にコネクタが外れないようにしなければなりません。 一番の理由はロケットで打ち上げた際の振動で、コネクタが緩みます…
リバースエンジニアリングは、パーツ、既存のモデル、およびアセンブリを使用することで、3Dデータを生成できるプロセスの一つです。 簡単に言うと、スキャンしたデータを元に製品を再現することができます。 リバースエンジニアリングは、既存の形状から正…
定期メンテナンスの連絡不十分で重要な試験で宇宙向けのサンプルが失われた事例 定期メンテナンスは、設備の寿命を効果的に伸ばすことに役立つ。 定期メンテナンスをしないと、設備が突然壊れた時に、最初から致命的になりかねない。 私たちの知らないところ…
各種環境試験(振動試験、熱試験用真空チャンバー、電波試験、電磁適合性試験)の保守 試験装置の保守メンテナンスは、装置そのものを長期間使用させることと同時に、新たに設備投資をすることなく、一定の成果を出すためにコスト面でも非常に重要な要素となり…
グリーン電力証書というシステムがある 資源エネルギー庁が打ち出した政策でグリーン電力証書というシステムがあります。 再生可能エネルギーによる電力をエネルギーとしての価値ではなく、環境保全への貢献としての価値(環境価値)を取引可能な証書とした…
グリーン電力証書とは 太陽光や風力などで発電した電力を化石燃料や原子力を利用して発電している電力と区別し、消費することなく永続的に利用できる再生可能エネルギーをグリーン電力としています。 ※太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、発電…
サーファーの技術が宇宙開発を救った #TIL that engineers had issues with the honeycomb insulation on the #SaturnV second stage, so they ended up hiring local surfers from #SealBeach CA, who had experience in working with the material, to app…
試験前に試験機器の機能を確認しておく 試験前の事前確認は重要です。 例えば地上支援装置(GSE)を外注し、外注の検査結果をもって試験に挑んだとしても、データが取れなかったなんて言うことはよくある話です。 出荷時点で問題なかったとしても、試験コン…
宇宙環境試験の温度センサー Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-MSFC-202100027 画像は熱真空試験を実施するために、人工衛星を熱試験治具で囲んで、チャンバーに入れるところです。 あの黒い物体が熱試験治具になります。これはヒーター方式で…
導電性のある炭素繊維(カーボン)複合材でも宇宙空間で空間電荷の影響を受ける 宇宙機開発において注意するべきものは、グランドという考え方です。 既製品や一般製品の場合、アースという考え方があり、グランドはアースに似て異なる考え方です。 アースは…
Rocket Labを紐解く Credits: Rocket Lab Roket Lab(ロケットラボ)は、2021年8月時点で、アメリカのカルフォルニア州ロサンゼルスに本社を置き、ニュージーランドにロケット射場設備を持つロケット打上げの企業です。アメリカのバージニア州にも第2の射場…
宇宙産業における地上の主要施設となる地上システムを分解する まず、地上局というのは、宇宙空間にある人工衛星や探査機などの宇宙機との通信のための地上の無線局です。 そもそも無線局は、無線設備が備え付けられた施設のことをいい、無線設備を操作する…
前回は基本設計フェーズぐらいのハーネス設計を淡々と述べていきました。 今回は打ち上げまで行ければよいかと思っています。 それでは、Let’s go! 詳細設計フェーズ移行のハーネス設計 基本設計フェーズまでで、機器配置を含めて、だいたいの設計が終わるの…
衛星の開発はいくつかのフェーズに分かれています。 概念設計フェーズ 予備設計フェーズ 基本設計フェーズ 詳細設計フェーズ 維持設計フェーズ 各フェーズの定義は、各組織によって違いますが、だいたいハーネス設計は基本設計フェーズから始まります。 基本…
アンカーテナンシー(Anchor tenancy)契約について アンカーテナンシー(Anchor tenancy)という言葉を知っているでしょうか。 あまり使われる機会がないのですが、偶に宇宙業界の文書や記事で出てきます。 政府の方針で注目されている業界や技術を取り扱う企業…
放射線遮蔽対策を真っ向から否定した宇宙用コンピュータ 電子機器が宇宙空間に曝されたときに問題となるのが放射線です。 放射線は電子部品のデジタル信号を狂わせ、運悪く半導体部品に衝突すると使えなくなります。 放射線の種類によっては長時間されされる…
在宅ワークが多くなったこの頃。 資料を事前に配布していたりするのですが、新しいアイディアや仕様・要求を調整する際に結構ペンタブを使用することになったので紹介します。 機械設計にもよるかと思うのですが、新規の提案をするときに図が必要になると強…
JAXAとNASAなどの宇宙に関わるギネス記録をまとめました。 [目次] 世界初の小惑星からの物質を持ち帰った探査機はやぶさ 最小の軌道ロケット SS-520 5号機 最も低い地球観測衛星の軌道高度 技術試験機「つばめ」(SLATS) その他の日本の宇宙関係 NASAのギネ…
宇宙機から地上の風を観測できるって知っていますか? 実は宇宙機に搭載した観測機器で測定できます。 といっても地上での観測機器と同一のものが搭載されています。 宇宙/軌道上から観測できる利点は何があるのでしょうかね。 人工衛星の有用な点は、国境を…
ハニカム構造の特徴をまとめてみました 以前、ハニカム構造の歴史と実例をまとめました。 mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com まとめたはいいものの、何か特徴があるのか、なぜ使用されているのが…
2021年初頭から、半導体生産不足という報告がされている。 部品製造に関わる原材料不足は、様々な業界に飛び火し、部品の調達が困難になってきているという話です。 ABFとガラス基板の不足 PCBおよび銅箔不足 シリコンウェハー不足の悪化 参照文献 ABFとガラ…
現代の世の中は電気に囲まれて生きている。 電気を制御し、あらゆる機器を動かしているわけだが、それを製造・管理している職業の人たちは、職場での電気の危険性について注意しておく必要がある。 本記事では電気的危険性のある事象をまとめた。 電力機器あ…