熱構造部
人工衛星が「金箔」に包まれているように見えるのは、多層断熱材(MLI:Multi-Layer Insulation)という熱制御デバイスを使用しているためです。 金色の正体: 本物の金ではなく、琥珀色のポリイミドフィルム(カプトン)と、裏面に蒸着された銀色のアルミニ…
CAE解析結果の妥当性に悩むエンジニア必見。応力拡大係数(K値)の基本式からExcelでの計算、NASA-HDBK-5010BやMMPDS等の国際規格に基づいた設計判断基準を徹底解説。材料の異方性(L-T/S-L方向)や形状係数Yの注意点など、設計レビューで勝てる数数的根拠の…
von Mises応力の定義やExcel計算式、NASA・JAXA規格に基づく安全率の定義を徹底解説。CAE解析の結果を設計レビューで自信を持って説明するための実務ガイドです。多軸応力解析の妥当性評価やトラブル事例、推奨書籍まで、構造設計者に必要な情報を網羅。
1. 我々を縛り続けてきた「ハードウェアの牢獄」 宇宙開発の歴史において、常に「打ち上げ」という名の締め切りと戦ってきました。 フェアリングが閉じ、ロケットが点火されたその瞬間、衛星は物理的に隔離された「完成体」となり、以後10年から15年にわたり…
製品設計において「コスト・納期・性能」の板挟み、いわゆる**トレードオフ(Trade-off)**に悩まない技術者は存在しません。 しかし、ネットや書籍にある経済用語としての解説では、現場のエンジニアが真に求める「意思決定の解」にはたどり着けません。 本…
現在、私たちの頭上数千キロメートルの宇宙空間では、人類史上最大規模の光通信ネットワークが構築されています。SpaceX社が展開する「スターリンク(Starlink)」は、単なる衛星インターネットの枠を超え、宇宙空間における「通信の標準」を塗り替えようと…
現在、宇宙ビジネスは「いかに高性能な衛星を作るか」という競争から、「いかに速く、低コストで衛星を打ち上げるか」というスピード競争のフェーズに突入しています。その最前線で、航空宇宙大手のボーイング(Boeing)が驚くべき技術革新を発表しました。 …
2波長赤外線センサとは? 赤外線センサといっていますが、いわゆる赤外線カメラのことです。 赤外線は、人間の目に合わせた可視領域外にある光の波長域のことで、可視領域では識別しにくい物体や現象を観測するために用います。 2波長という、それぞれ別の光…
ジョン・F・ケネディ宇宙センター(John F. Kennedy Space Center, KSC)にはロケット発射場があります。 過去、スペースシャトルと呼ばれる宇宙機が現役であった時にもケネディ宇宙センターで製造され、打ち上げられていました。 今回は、ロケット打上げ環…
ダイヤモンド切削とは、ダイヤモンド工具を利用して物体を削る技術のことを指します。 ダイヤモンドは炭素により構成される構造であることから高い熱伝導率を持ち、削る対象に対して熱を拡散させながら切削することができます。 切削により発生する物体間の…
熱解析での入力要素値:熱伝達率 目次 熱解析での入力要素値:熱伝達率 目次 ニュートン冷却の法則から熱伝達率を求める 試験のコンフィギュレーションを考えてみる データ取得後に、ニュートン冷却保存の法則を利用して算出する 参照サイト 式だけ知りたい…
地球軌道上の熱環境 地球軌道上の熱環境というのは、人工衛星の熱解析やデブリ落下解析で使用されます。 宇宙機を製造するにあたり、どんな熱環境を意識する必要があるのかといったことは他に譲るとして、今回は熱解析で利用されるパラメータについてまとま…
ワイヤーロープアイソレーターの特性:解析モデルでの減衰と剛性の使用 Lessons Learnedとは、組織(に関わらないですが)において業務を遂行した上で得られた教訓(学んだ教訓)のことを指しています。 今回はワイヤーロープアイソレータについてです。 ワイヤ…
ハーネスが損傷する機械的理由 Lessons Learnedとは、組織(に関わらないですが)において業務を遂行した上で得られた教訓(学んだ教訓)のことを指しています。 今回はハーネスが損傷する理由です。 抜粋した資料の情報が少ないため、「終わりに」が本題ですね…
宇宙開発は難しいことをしていると思っていませんか? 一見難しいように思えますが、理由を知れば、開発者が必要なことをシンプル化して試験をしています。 Lessons Learnedでは宇宙業界という技術力の高いエンジニアである人たちでも盲点となり起きてしまっ…
民生品を推奨して、人工衛星の価格を下げるというのが小型衛星開発の設計の流れがあります。 しかし、民生品を利用するということはいくつかのリスクを含んでいます。 少し時間がたっている事例ではありますが、民生品を使用した際に発生しうるリスクを簡単…
静電気でパソコンが壊れるという話を聞くことはありますが、あまり人工衛星で壊れるという話は聞いたことがないかもしれません。 人工衛星も電子機器であることから静電気で壊れます。 人工衛星は軌道上に上がると故障の原因を調査することがかなり難しいで…
今回は『「きぼう」のつくりかた』から宇宙ステーション日本実験棟"きぼう"の熱制御についてまとめていきます。 「きぼう」のつくりかた 国際宇宙ステーションのプロジェクトマネジメント [ 長谷川 義幸 ] 楽天で購入 日本で国際宇宙ステーション(Internati…
今回は金属3Dプリンタにより製造する部品を使用するうえでの考え方をまとめました。 目次 金属3Dプリンタで許容できないもの それでも金属3Dプリンタ自体の製造公差が発生します。 ロケットと金属3Dプリンタ 3Dプリンタで推進薬タンクを製造する 参考文献 金…
中世の機械工学と宇宙につながるもの 中世の機械工学で生まれた技術という記事を見つけたので、宇宙に絡めて紹介しようと思います。 www.engineersjournal.ie 記事によると、中世は機械工学において、大きな技術革命が発生した時期ではないと多くの人にとっ…
宇宙開発は数年掛かりで開発します。 しかも、打上げロケットや打上げ軌道が決まっている場合は、スケジュールをずらすことが難しいのが現状です。 数年掛かりといえど、かなりタイトなスケジュールを強いることが多いんですね。 そのスケジュールの中で、機…
リバースエンジニアリングは、パーツ、既存のモデル、およびアセンブリを使用することで、3Dデータを生成できるプロセスの一つです。 簡単に言うと、スキャンしたデータを元に製品を再現することができます。 リバースエンジニアリングは、既存の形状から正…
サーファーの技術が宇宙開発を救った #TIL that engineers had issues with the honeycomb insulation on the #SaturnV second stage, so they ended up hiring local surfers from #SealBeach CA, who had experience in working with the material, to app…
試験前に試験機器の機能を確認しておく 試験前の事前確認は重要です。 例えば地上支援装置(GSE)を外注し、外注の検査結果をもって試験に挑んだとしても、データが取れなかったなんて言うことはよくある話です。 出荷時点で問題なかったとしても、試験コン…
宇宙環境試験の温度センサー Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-MSFC-202100027 画像は熱真空試験を実施するために、人工衛星を熱試験治具で囲んで、チャンバーに入れるところです。 あの黒い物体が熱試験治具になります。これはヒーター方式で…
導電性のある炭素繊維(カーボン)複合材でも宇宙空間で空間電荷の影響を受ける 宇宙機開発において注意するべきものは、グランドという考え方です。 既製品や一般製品の場合、アースという考え方があり、グランドはアースに似て異なる考え方です。 アースは…
Rocket Labを紐解く Credits: Rocket Lab Roket Lab(ロケットラボ)は、2021年8月時点で、アメリカのカルフォルニア州ロサンゼルスに本社を置き、ニュージーランドにロケット射場設備を持つロケット打上げの企業です。アメリカのバージニア州にも第2の射場…
ハニカム構造のメリット・デメリット、設計に不可欠なASTM/MIL規格、導入コストの多角的要因を網羅。サンドイッチ構造の応力分布からボルト締結の解決策、最新の航空宇宙・建築事例まで、技術者が求めるすべての情報を凝縮したガイド。
high throughput satellite (HTS)? Credits: NASA https://images.nasa.gov/details-KSC-00pp0712 直訳すると高い情報処理能力を持つ人工衛星である。 2022年に打上げられる技術試験衛星9号機(ETS-9)はハイスループット衛星(High Throughput Satellites:…
レーザー加工の誤解を解く 原文 https://www.engineeredmechanicalsystems.com/truth-behind-laser-cutting-myths/ John Thom レーザーは間違いなく、私たちの知る技術の中でも実用的に進化してきた技術の一つです。光のエネルギーを集約したビームは、矯正…