グリーン電力証書というシステムがある
資源エネルギー庁が打ち出した政策でグリーン電力証書というシステムがあります。
再生可能エネルギーによる電力をエネルギーとしての価値ではなく、環境保全への貢献としての価値(環境価値)を取引可能な証書としたものがグリーン電力証書です。
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人工衛星も、再生可能エネルギーといわれる太陽光発電を使用しているため、グリーン電力証書の対象となるのか、確認してみました。
人工衛星の発電をグリーン電力として設備認定できるのか?
グリーン電力証書の中身は、第三者機関の一般財団法人 日本品質保証機構が認証した発電設備で発電した電力量を証書化したものです。
さて、人工衛星に適用できるのか設備認定申請書から洗っていきます。
設備認定申請書
認証手順 | グリーンエネルギー認証制度 | 地球環境に関する審査・評価・支援 | 日本品質保証機構(JQA)
申請書は2つあるのですが、太陽光ファームは土地に太陽光発電システムを構築しているので、通常の申請書となるでしょう。
- 発電所在地は、軌道上とかになるのかな。
- 発電方式から、太陽光発電になるから、適合説明は可能。
- 発電電力量の測定は、電力系統に供給されており、測定できるから可能。
- 追加性要件は、グリーン電力の取引により確実に、運用を維持しているといえるので可能。
- 環境価値の帰属に関しては、各組織・事業者により異なるので省きます。
- 環境の影響評価は、軌道上なので生態系にへ影響がなく、おそらくデブリ対策を記載しておけばよい気がしますね。ただ、宇宙業界でない人がスペースデブリに対しての理解があるかは不明ですが。
- 社会的合意については、近隣住民が居ないので影響はない。あえて書くとすれば、電波法上で電波発信ができるか否かですかね。いわゆる周波数の国際調整になりますかね。
- 情報公開は、もちろん可能です。
あれ、意外といけますね。
問題は関係法令ですかね。
フォーマット上での関連法令は、該当なしに成り得ますね。
もちろん、電気を発生させつつ事業化とも読み取れるため、電気事業者となるかは注意が必要です。
宇宙空間であるので関係ないとも言えますが、この場合は、運用している組織の所在地での自治体がどのように判断するかによるかもしれません。
フォーマット以外では、先に述べた電波法と宇宙活動法とリモセン法になりますね。
その他は、景観などは該当なしなので難しいですね。
設置後の有効期限は、電波法と同じく、何年電波を発信するかによります。
意外と真面目に行ける気がしたけど、どうなんでしょうね。
人工衛星の価値を増やす
これを調べた理由は、いくつかあります。
- 人工衛星所有による価値を増やすこと。
古くから環境に良いといわれる太陽光発電を使用している人工衛星はグリーン電力の塊ではないか。それを宣言できるところがないかと思いました。
- 国内では全然財源が厳しく、赤字と隣り合わせの宇宙業界での第二の収益になるのではないか。
人工衛星を複数基所有していればその分グリーン電力の「環境価値」が売買できるので、運用や保守管理維持費用を軽減できるのではないでしょうか。
絶対知っている人はいない。
将来的に軌道上での太陽光発電もグリーン電力とするための前例が必要ではないかな。
- 脱炭素に向けた技術と宇宙業界両方の業界を盛り立てることができる。
課題となるのは、3つほどあります。
- 従来からグリーン電力を使用してきたので、EV自動車のように化石燃料の代替ではなく、過去から今でも主要な電力源にあるということ。
- 発電所ではなく、発電設備であり、電気事業法上どうなるのか分からない。
- 発電量が圧倒的に少ない。
ただ、政府資金での補助が出ているわけではないので、理論上は可能だと思います。
WEBサイトで投資家に向けて堂々と環境保全の活動をしているといえるので、いくつかの投資上では楽になるかもしれません。
今のところ、グリーン電力発電設備認定一覧に宇宙機はないですけど、どうなのかな。
そんな労力を掛ける人もいないかな。
参考資料
認証手順 | グリーンエネルギー認証制度 | 地球環境に関する審査・評価・支援 | 日本品質保証機構(JQA)
https://www.jqa.jp/service_list/environment/service/greenenergy/flow.html