現代の世の中は電気に囲まれて生きている。
電気を制御し、あらゆる機器を動かしているわけだが、それを製造・管理している職業の人たちは、職場での電気の危険性について注意しておく必要がある。
本記事では電気的危険性のある事象をまとめた。
電力機器あるいは電力システムの手順書や取扱説明書、作業前打合せなどで、少なくとも以下の注意点があると、より作業者の危険が減ると願っている。
[目次]
感電
50Vを越える電圧で。5mAを越える電流が流れる部分に直接接触すると、筋肉を麻痺させ、臓器を壊し、心臓に致命的な影響を及ぼす。
感電の重症度は、身体に流れる電流の大きさ、電流の経路、接触時間により変化する。
短時間であっても、内部/外部の火傷などの重傷を負う可能性がある。
アークフラッシュ
通電された導体に直接接触してはいけない。
アーク放電(電弧、電弧放電)によって高温、高エネルギーの放出により発生するアークフラッシュの危険性がある。
アークフラッシュは、大きな断層電流が流れているときに、お互い近接している導体を通し、電位差により空気をイオン化し、低抵抗な部分にも伝達する。
ブレーカーが落ちた時に、再度オンするときに発生することが多い。オンする前に、原因を特定し取り取り除くことなくオンしてしまうと簡単にアークフラッシュが発生する。
高電圧や低電圧といった電圧の大小は無関係であるので注意が必要である。
だいたい400V以上で負傷の可能性が大きくなってくる。
周辺の金属を気化させて発火させることはもちろん、閃光も発生する。
光による失明以外にも、空気を高温・爆風により2メートル程度で致死の危険性も少なからず、5メートル程度離れていても火傷を引き起こす可能性がある。
電気事故による入院の大部分は、感電ではなくアークフラッシュによる火傷によるものである。
アークブラスト
アークブラストは、アーク放電によって引き起こされる高圧音波、爆風である。
アークフラッシュの結果、周辺の空気と金属が高温になることで気化、爆発膨張を引き起こす。
導体である銅が蒸発すると、元の体積の67,000倍に膨張し逃げることは難しく、空気を含めて高圧の爆風と高デシベルの音圧が放出される。
アークフラッシュと同様に、失明や火傷の危険以外にも、音圧による聴力障害や脳震盪を引き起こす。
火傷
電気事故での火傷は、電気火傷と熱源接触の火傷のタイプが多い。
電気火傷は、身体の中に電流が流れることで、熱が拡散できず、皮膚組織や内臓組織の損傷を与える。
熱源接触の火傷は、加熱した導体に接触することで皮膚表面が火傷するものである。
銅線や導体の露出部分に注意しておく必要がありますが、パネルなどで閉じられた電気機器の場合は、パネル裏など開缶したときに接触する恐れがある。
どのように開けるか、手順書には明記しておかなければ、不意に触れてしまう可能性ががある。
衝撃のアークフラッシュの動画
参考文献
Arc flash
https://en.wikipedia.org/wiki/Arc_flash
Electrical Safety Program - Why Your Company Needs an Electrical Safety Program
https://www.allumiax.com/blog/electrical-safety-program-2018-guide#safety-standards
電気回路のショートによるアークフラッシュの危険性
https://www.jniosh.johas.go.jp/icpro/jicosh-old/japanese/library/highlight/nsc/2004/04_03/BB96.html
あなたはアークフラッシュが何であるか知っていますか?そうでなかったら、読み続けなさい、それは重要である。