近年、政府の政策でムーンショットという言葉を聞くようになりました。
ムーンショット、月を撮ると直訳するその言葉は文面の通り月を撮ることを含んでいます。
業界では、2019年と月に関する計画が大きな話題となっています。
もちろん、民間(宇宙業界は公的組織以外はそう呼んでいる)の宇宙進出をニュース含め日本では話題になることが近年では多かったのは事実です。
一方で、従来の公的な宇宙業界では月に関する計画の現実味が高まってきています。
数年前で、民間であるGoogleがコンテストを展開したのも少なからず影響があったかと思います。
むしろ、そのコンテストの成功者が出ず時間切れとなったことも大きいかもしれません。
その時は宇宙業界・宇宙開発の壁を近年で最も感じられた出来事ではないでしょうか。
そんな月の計画に関係するムーンショットですが、内閣府の出している文言を取り出すと次のようになります。
ムーンショット型研究開発制度 - 科学技術・イノベーション - 内閣府
ムーンショット型研究開発制度は、我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)
破壊的イノベーションとは、なかなか強烈な言葉ですが、もともとは有名なイノベーションのジレンマで発せられている言葉になります。
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
- 作者:クレイトン・クリステンセン
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
破壊的イノベーションの意味を簡単に述べると、従来身近にあった価値観を壊すほどの技術を市場に展開することです。
今まで、電話は特定の場所から動かせないものであったものから、携帯電話の登場による固定電話の衰退。
店舗型ショップからwebのよる流通。
2010年代でさえ、多くのイノベーションのジレンマが発生し、大企業が方向性を変えざる得なくなったことはよく聞きます。
今までのように、同じ製品を改良することで性能を高め、高い価値観を提供するという持続的イノベーションから、現時点で誰も注目していなかったところに価値を見いだし、従来の市場を淘汰してしまうような技術のことを指しています。
破壊的イノベーションを目指しているわりには、基礎研究を選択と集中で淘汰しているのはよく分からないけど。
話は戻しますが、ムーンショットとは、壮大な目標のことを指しています。
この言葉は、1961年に当時の15代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディによる発言から生まれました。
実現未達で、従来の考え方では到達できそうにない目標に対して、達成に向けて挑戦していくという意味をもっています。
誰も挑戦していかないことに対して挑むというのは、ムーンショットと破壊的イノベーション、二つとも似た意味をもつことに気づきます。
重要なことだから繰り返したということなのでしょうか。
2019年に月関係の計画が大きく動いたのは、当時月面着陸50周年を迎え、当時のアメリカ合衆国副大統領ペンスにより、あらゆる手段を用いて、NASAに5年以内で人間を月面に着陸させるように指示したというところから始まっています。
NASAにおいても、月面着陸あるいは月面探査は基礎研究から実施しており、向かい風となった発言ではありました。
その後のNASAの発言には、2024年以内でしたり、2028年以内という数値を出してきています。2028年というのは、副大統領の発言以前からNASAで計画していた時期だったそうです。
どちらにせよ、NASAの月へ出発は10年以内に実施されそうですね。
参考資料