往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是

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人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

人工衛星のハーネス設計のルーティング(配線)検討のポイント(概念設計、基本設計編)

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衛星の開発はいくつかのフェーズに分かれています。

  • 概念設計フェーズ
  • 予備設計フェーズ
  • 基本設計フェーズ
  • 詳細設計フェーズ
  • 維持設計フェーズ

各フェーズの定義は、各組織によって違いますが、だいたいハーネス設計は基本設計フェーズから始まります。

 

基本設計フェーズでは、搭載するミッション機器(通信機器、光学観測機器、レーダー機器など)をはじめ多くの機器が確定しています。

 

機器が確定してからハーネス設計を開始することができます。

ハーネス設計は構体設計や機器配置設計に大きく関わり、重量配分や製造時のリードタイムにも影響していきます。

 

今回はハーネス設計のルーティング検討のポイントをまとめていきます。

 

ハーネスの実装や配線の基礎に関しては過去の記事を参考してください。

 

ハーネス設計の検討ポイントの洗い出し

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ハーネス設計の検討ポイントは次の通りです。

こう並べるとたくさんあるようですが、単体ではシンプルで分かりやすく、そして、多量にあるため間違いやすい。

 

それがハーネス設計です。

 

  • ハーネスのたわみ
  • ピンアサイメント
  • ノイズ
  • 機器配置
  • 機器のコネクタ方向
  • コネクタのオス側/メス側
  • クロス配線
  • 配線の固定
  • シールド線
  • シールドコネクタ
  • 環境試験用ハーネス(温度センサ、加速度センサ)

 

ハーネス設計のルーティング検討の基本設計フェーズ編

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ルーティング(配線)検討は誰が行うのか。

 

機械設計者?

電気設計者?

通信設計者?

実装/艤装作業者?

 

個人やある設計者グループではありません。全員で実施します。

 

機械設計者が取りまとめを行うことが多いのは事実です。

それは機器配置を機械設計者が実施することが大きな理由ではないでしょうか。

 

ただし、機械設計者だけで確認してはダメな理由が3つあります。

  • ハーネスのたわみ/曲げ
  • ピンアサイメント
  • ノイズ

  

ハーネスが集合し過ぎてたわみの考慮が抜けてしまう。

人工衛星の規模にもよりますが、ハーネスは大型になると成人男性の腕周り、太もも周りより太くなります。

 

キューブサット級と呼ばれる手乗りレベルの人工衛星ではハーネスのたわみの影響は少ないです。

 

しかし、50cm級ぐらいを越えた辺りから、サインペン/マジックペンよりも太いハーネスが出てきます。

 

スペックシートやWEB情報やカタログ情報で出てくる曲げ半径は、1本あたりの曲げ半径です。

ハーネスの線径にもよりますが、5本を越えた辺りから曲げた時のたわみの影響が出てきます。

 

3DCAD上で検討し始めていたら、理想的なハーネスルーティングと現実的なハーネスルーティングにギャップが生じることを汲んで設計する必要があります。

 

経験のある実装/艤装作業者に確認したり、サンプルのハーネスを束ねて再現してみた方がよいでしょう。

 

フッ素系のケーブルや通信仕様、シールドケーブルは硬くて曲げにくいと言うことを念頭において設計しましょう。

 

 

ピンアサイメントは機械設計者だけでは対応しきれません。

こちらも人工衛星の規模にもよりますが、電気設計者や通信設計が協力して情報を提供する必要があります。

 

開発する衛星が複雑であればあるほど、似たようなコネクタが出てきます。

電源機器1、電源機器2などであれば、機器設計の中で見分けがつくようにピン数を変更することは可能です。

しかし、電源機器1、通信機器1、制御機器1などと別の機器が混ざると混乱のもとになっていきます。

 

他の設計者と共に確認しておく必要があります。

 

ノイズは機械情報だけでは読み取れません

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電流ノイズが通信/制御信号に影響を与えることぐらいは感覚として分かるかもしれません。

 

機器配置において、電力用のハーネスと通信/制御信号用のハーネスを近づけなければ配線できないこともあります。

 

ノイズの影響を受けやすい機器の情報などを提供したり、配線結果から確認しておく必要があります。

 

機器配置がほぼ確定していれば、ノイズの問題があるため、電気設計者が最初期のハーネスのルーティング案を考えることも以降の開発を考えれば有用といえます。

 

電気設計者側は、ルーティング案を考えなくとも、機器Aと機器B間のハーネスαは、機器Cと機器Dのハーネスβと可能な限り離すことなどの注意点を洗い出しておくことが、設計の出戻りを減らす一歩ではないでしょうか。

 

注意事項を洗い出しておかないと、製造後半で急遽変更が発生した時に、大きく影響します。

 

リポート品でも類似設計、流用設計であってもベースとなる注意事項/制限条件をまとめておくことが必要となります。

 

センスのいい人に任せてもいいですけど、2台目、3台目と製造していくにつれて、属人的になり、再現性が低くなるので注意が必要です。

 

機器配置から派生するハーネス設計のルーティング検討

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機器配置はだいたいミッション機器の配置が先に決まります。

 

もちろん標準衛星バスと呼ばれるバス機器の標準セットを購入する場合は、ミッション機器の配置が最後の方になります。

その場合はハーネス設計も比較的簡単であるのでそもそもハーネス設計なる担当の出番が限りなく少なくなります。

バス機器:人工衛星が動くために必要なすべての機器。無いと人工衛星が動かなくなるほどに必要な機器。人間で言うと内蔵といわれる。

 

ミッション機器を配置し、姿勢制御機器と軌道制御(推進)機器を配置します。

 

姿勢制御機器や軌道制御機器は、ミッション機器をのどの方向に向けるか、地表を向けるのか宇宙空間を向けるのか、やりたいことを考えて決断していきます。

 

次に通信機器の配置を決めていきます。

主にアンテナが含まれます。

ミッションが成立するような姿勢制御を行い、その姿勢制御の範囲で通信が可能なように配置していくという流れです。 

そして、電力電源機器や制御機器を配置していきます。

 

機器を配置した後に、太陽光電池の配置を考えていきます。

今まで選択した機器で電力が充分であればよいのですが、十分でない場合は展開パネル(パドル)方式の検討や選定していた機器のグレードをダウンさせたりと選定をし直していきます。

 

既存の人工衛星の配置をもとに設計したり、人工衛星開発の経験者であれば、先に太陽電池配置や蓄電池配置を行う設計者の方が多い気がします。

 

既に機器選定の目途がついているため、制約条件になりうる太陽電池配置を先に検討しているのでしょう。

一から始めると、電力系の解析を含めて、機器配置を抜本的に見直したり、微調整しています。

 

 

機器の配置には、さらに電磁、通信ノイズの影響がないように、感度の高い観測機器に気を付けたりします。

電磁、通信ノイズ以外にも、姿勢制御に使われるホイール系やモータ駆動がある機器のノイズや振動による観測機器の精度ずれに気を付けて配置する必要があります。

 

小型衛星の場合は、抜本的対策ができるだけの電力は質量配分の余り分が少ないために対応できなくなることが多いので、何かを優先とするか方針が必要となります。

優先を決めずにバランスを取る場合、汎用品となりますが、高性能なミッション機器の搭載が難しいということだけ知っていれば良いかと思います。

 

これらの配置をした上で、ハーネスの配線を行います。

 

この時点で気を付けるべきことは、信号ハーネス、電力ハーネス、通信ハーネス(同軸ケーブル)は、ノイズの影響から並行して一気に決めていきます。

そして、ハーネスのルーティング(配線)ではなく、信号ハーネスなどの種類が出そろっていること確認することをあげておきます。

 

もしヒータの検討が済んでいれば、しっかり盛り込んでおくことが大事です。

 

初期段階、いわゆる概念設計や基本設計フェーズの初めの方では、コネクタのピンアサイメントなどの情報は不要です。

 

現時点での実現性がありそうな実装レベルと、使用するハーネス(信号、電力など)に不足がないことまでとします。

 

実装の実現性に近いのですが、ハーネスの線種やハーネスを束ねた時の太さも目星をつけておいた方がよいですが、スケジュール次第で優先度として低いですね。 

 

また、質量配分にハーネスの項目を入れるべきかは要検討ですね。

接触充電などを行わない限り人工衛星全体の15%~35%近くになることが多いハーネスは基本設計フェーズでの詳細化がかなり困難です。

 

参考文献

衛星の開発|衛星の開発から運用までの道のり|JAXA一宇宙技術部門

https://www.satnavi.jaxa.jp/basic/satlife/development.html

宇宙業界用語「アンカーテナンシー(契約)」について

アンカーテナンシー(Anchor tenancy)契約について

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アンカーテナンシー(Anchor tenancy)という言葉を知っているでしょうか。

 

あまり使われる機会がないのですが、偶に宇宙業界の文書や記事で出てきます。

政府の方針で注目されている業界や技術を取り扱う企業に対して行われることが多いです。

 

限られた条件において、政府が企業と契約して商品を継続購入し、企業もしくは業界を存続させるために行うことをいいます。

 

政府目線でいうと産業基盤の安定のために契約し、事業継続の機会を提供することをいいます。

 

特にベンチャー、スタートアップ、未上場企業に対して行います。

 

目次

 

日本では宇宙業界ぐらいでしか聞きません。

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宇宙業界ぐらいでしか言われないのは、宇宙業界が古くからありつつも政府主導で行われた業界であり、他の業界の領域を侵食するする部分が少ない(利害関係が薄い)からかもしれません。

 

現在の宇宙業界は政府主導から民間(宇宙業界では政府あるいはJAXA以外を指す)でビジネスする風向きになっています。

 

宇宙業界でアンカーテナンシーが使われるということは、産業として安定させるために政府介入が行われる稀有な業界と言えるかもしれません。

 

というのも、宇宙産業従業者人口が1995年以降減少しており、事業の撤退も増え、重要な部品の一部が製造不可能になっています背景があるようですね。

 

日本語では広義に捉えられることが多いため、補助金助成金もアンカーテナンシーと勘違いするかもしれません。

補助金助成金は、政府や自治体の政策目標に合わせて、事業者の取り組みをサポートするために資金の一部を給付するというものであり、性質が違います。

 

アンカーテナンシーとは、資金の一部を給付するのではなく、事業者の提供する商品またはサービスを特定条件下のもとに政府と契約するものです。

 

NASAでのアンカーテナンシー契約

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米国の宇宙機NASAではアンカーテナンシー契約を結ぶにあたり、次のような条件を提示しています。

 

  1. 商品またはサービスがNASAのミッション要件を満たしていること。
  2. 費用対効果のある商業目的の商品またはサービスであること
  3. 商品またはサービスが、競争入札で調達されること
  4. 米国政府以外の既存または潜在的な顧客が特定されていること。
  5. 政府が継続的に市場介入することで長期的に存続可能なビジネスではないこと。政府の支援に依存するビジネス形態ではないこと
  6. 未上場企業であり、ベンチャーキャピタルによるリスクがあること
  7. 政府責任で契約を終了させた場合、終了責任に基いて契約者に支払う場合があること。
  8. 終了責任には、期間が決められた契約が含まれる場合として、契約を終了させなかった場合に政府が支払うべき金額を越えないものとする。
  9. 終了責任による支払いは、終了時に購入可能な商品またはサービスの購入で行われることがあること。
  10. 契約期間が10年を越えないこと
  11. 固定価格で商品またはサービスを提供すること。
  12. 実現可能で、合理的な性能仕様であること。
  13. 契約が実行できない場合は、終了責任による支払いを行うことなく、部分的に終了させる権利を政府側が持つこと。

 

上記内容を確認すると、アンカーテナンシー契約は特定の企業に対して支援するのではなく、特定の要件で業界を支援、競争させ活発化させる意味合いの方が多いようです。

 

特定の場合は随意契約になってしまいますからね。

特有の技術でない場合は、市場での公平性を欠いてしまうことになるので、競争入札になるのでしょう。

 

一部では長期購入契約をアンカーテナンシーとしていますが、継続的に契約するという意味で長期購入契約と呼んでいるようですね。

 

ただ産業での公平性を考え、10年の間に近い技術をもつ事業者が現われることも考えた上で、契約期間が10年未満というのは適当な気もします。

 

競走した方が技術革新が生まれやすいともいいますのでね。

 

ちなみに、アンカーテナンシー契約が最初に使われたのは、1980年代にヒューストンのスペースインダストリーズ社が商業用微小重力研究および製造施設の開発を提案したときだそうです。

 

日本によるアンカーテナンシー契約

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日本によるアンカーテナンシー契約はどんなものがあるでしょうか。

実際、どれがアンカーテナンシー契約なのかよく分かりません!

 

政府主導であると特定分野に偏りそうですが、JAXAなどの国立研究開発法人経由で考えると、継続的な研究目的にも使用できそうですね。

政府が買い上げて、安価に国内ユーザーに提供する機会を与えるのもありかもしれません。

 

現在、これがアンカーテナンシー契約だというものが調べきれていないので想像で上げると次ぐらいですかね。

 

  • 衛星画像データの継続的な購入契約
  • 衛星画像データの災害・防衛時の優先購入契約
  • 人工衛星の継続開発及び購入契約
  • 特定画像の画像処理契約
  • 観測ロケット及び人工衛星用ロケットの使用契約
  • 宇宙機開発設備及び試験設備の使用契約
  • 月面あるいは惑星探査データ取得契約

 

理学系の研究ではなくビジネスとして今後成立できる可能性があり、競争できる程度の技術力のある企業が複数あり、未上場企業であることを考えるとプレイヤーが絞られてきますが、案外行けるのではないでしょうかね。

 

研究レベルとしても国に有用な環境データで政策の方針に則っており、地球の大気観測用人工衛星あるいはロケットを継続的に開発する能力があれば、アンカーテナンシー契約を結べるかもしれませんね。

参考文献

NASA/NOAA Anchor Tenancy

https://www.space.commerce.gov/law/anchor-tenancy/

Commercial Acquisition; Anchor Tenancy

https://www.federalregister.gov/documents/2012/10/29/2012-26546/commercial-acquisition-anchor-tenancy

用語集

https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/09/29/1352168_8.pdf

産業維持のためのアンカーテナンシー

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/seisaku_kaigi/dai5/siryou5_2.pdf

NASA Anchor Tenancy Change Encourages Commercial Space Backers

https://spacenews.com/nasa-anchor-tenancy-change-encourages-commercial-space-backers/

放射線遮蔽対策せずに国際宇宙ステーションで使用された市販のコンピュータについて

放射線遮蔽対策を真っ向から否定した宇宙用コンピュータ

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電子機器が宇宙空間に曝されたときに問題となるのが放射線です。

 

放射線は電子部品のデジタル信号を狂わせ、運悪く半導体部品に衝突すると使えなくなります。

放射線の種類によっては長時間されされると性能も悪くなります。

 

多くの宇宙機放射線対策に多くのリソースを費やしてきました。

リソースの中には、人的コスト、時間的コスト、品質コストが含まれています

 

2017年に打上げられたヒューレット・パッカードエンタープライズ製のSpaceborneComputerは、国際宇宙ステーションで207日間も正常に機能しました。

 

SpaceborneComputerの注目するべき特徴は、放射線遮蔽がないことと市販のコンピュータシステムを利用したことです。

 

放射線は分厚い金属であったり、宇宙では難しいですが水の壁などにより内部に放射線を通さない防護壁を作ることが可能です。

 

市販品、いわゆるCOTS品を使用したということは、RADHARD品と言われる耐放射線電子部品を使用していないということです。(多分!)

RADHARD品は市販品より10倍から100倍ぐらいの価格差があります。

高い理由はいくつかの放射線対策とトレーサビリティがしっかりと管理されいるのが理由です。

 

このSpaceborneComputerの宇宙放射線対策は冗長設計です。

 

電源、ファン、チェック回路などを全て冗長設計としたものです。

さらにソフトウェアによるシステムの監視を強化することで実現しました。

 

SpaceborneComputerの国際宇宙ステーションでの実験は、多くの有識者から実現が難しいと言われたそうです。

実際に、コンピュータの異常発熱が発生しエラーの発生率が増大したり、宇宙飛行士の膝に緊急停止スイッチが接触してハードクラッシュを引き起こすなどの異常に遭遇したそうです。

 

ただ、これらの異常事態は待ち望んでいたものだったそうで、エラー率が高くても、内部処理で管理され、主要作業の方が継続できれば問題ないという思想のもと、駆動し続けました。

 

あえてハードウェアによる対策を行わず、ソフトウェアの強化と冗長設計により対処したそうです。

 

ソフトウェアの強化も、すべてのパラメータを監視し、規格外になると該当パラメータが規格内に収まるように処理を行い、警告をだし、最終的には機能をシャットダウンさせるように動作させました。

 

稼働時間は207日ですが、ISSには1年8か月近く滞在し、問題なく稼働し続けました。

 

地球に戻ってきた後も、宇宙に行った2つの製品と地球に保管していた2つのコピーの比較検証を行っています。

 

他の宇宙機に適用できるのか?

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さて、最近話題の小型衛星に搭載できるかですが、現状の技術ではやや難というレベルでしょうか。

 

小型衛星は打上げ及び生産サイクルを上げるため、搭載ペイロードが小さく備品が密集しています。

搭載コンピュータ、オンボードコンピュータとも呼ばれる制御部に冗長するだけのスペースが少ないことが多いのです。

 

地球観測だけを考えるのであれば、小型衛星はミッションデータを生成し、地上システムと通信していた方が、より多くの情報を提供できるシステムを構築することが可能となります。

 

ただ、さらに小型化ができれば大量の画像を保存したり、通信速度の問題で地上に送るのに時間が掛かる大容量の高解像度画像も、画像処理を軌道上で行い、圧縮され短時間で地上に送ることができます。

 

現状では、搭載ペイロード的には中型から大型衛星であればより有効に採用できるのではないでしょうか。

 

 

それとは別に、国際宇宙ステーションのような有人宇宙飛行や惑星探査機であればよりメリットがあります。

 

国際宇宙ステーションは、放射線対策のために時代遅れのコンピュータ性能です。

 

地上で使用されているコンピュータと同じであれば、今までの宇宙実験のデータ蓄積や処理を数百倍を超える速度を行うことができ、より効率が上がる可能性が高いです。

 

惑星探査機に搭載するメリットは、コマンド時間です。

惑星探査機は単純に地球から距離が離れているため、コマンド通信に何時間から何日もかかります。

 

コマンドが間違ったとして、送信後すぐに気が付けば間に合うかもしれませんが、コマンドを実行した後の反応は、12時間後や数日後になってしまいます。

 

この往復だけで燃料が何日分も消費され、電力も無駄に消費され、元の状態に戻るのに数十日や何か月もかかる可能性があります。

その間に惑星探査機が壊れる可能性が増大していきます。

 

そんなものに対して、高性能のコンピュータを搭載することができれば、ヒューマンエラーの防止対策を追加することもできますし、自動処理も素早く行うことができます。

FDIR(Fault Detection Isolation and Recovery)と呼ばれる、宇宙機喪失を防ぐ自動処理回路も十全に搭載することができます。

 

 

故障に対することばかりでもありません。

コンピュータ処理は単純なルーチン処理の繰り返しとなります。

 

コンピュータの性能が上がれば、ルーチン処理の速度も格段に上がります。

 

まあ、地上と同じく、大電力と発熱には悩まされるかもしれませんが、メリットはとても大きいです。

 

このような実例から浮かび上がるのは、SpaceX製の有人宇宙補給船ドラゴンです。

 

ドラゴンがどのような技術で機械的なスイッチの無いタッチパネル方式の操縦を行っているのかを考えると、高品質の耐放射線半導体部品を使用している部分もあるかもしれませんが、高度な処理を行うために、同様の冗長設計を組み合わせているかもしれませんね。

 

 

Spaceborne Computer-2が打ち上がっている

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Credits: NASA

https://images.nasa.gov/details-iss065e009492

 

このSpaceborne Computer-1の成功を受けて、すでにSpaceborne Computer-2が打ち上がっています。

  • 計算性機能やミッション用処理機能をそれぞれ2倍に引き上げること。
  • ハードウェアが2~3年間駆動し続けること。

といった性能向上を要望され開発されました。

 

最終的には、x86プロセッサとGPUを搭載するHPEのコンバージドエッジシステム「HPE Edgeline EL4000」と「HPE ProLiant DL 360 Gen10」が搭載されているそうです。

 

機能としては、マイクロソフトの「Azure Space」の連携やISS太陽電池で発電するDC 28V電源で稼働が考えられているようです。

 

参照文献

Spaceborne Computer

https://www.nasa.gov/johnson/HWHAP/spaceborne-computer

The Spaceborne Computer Returns to Earth, and HPE Eyes an AI-Protected Spaceborne 2

https://www.hpcwire.com/2019/06/10/spaceborne-computer-returns-to-earth-hpe-eyes-an-ai-protected-spaceborne-2/

HPEとNASA、ふたたび宇宙でエッジコンピューティング実証実験

https://ascii.jp/elem/000/004/044/4044488/

ISS・国際宇宙探査を巡る最近の動向

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/07/09/1418751_1.pdf

HPE、エッジコンピューティングで宇宙探査加速目指す--「Spaceborne Computer-2」打ち上げへ

https://japan.zdnet.com/article/35166418/

在宅ワークで機械設計関係の打ち合わせをするとペンタブが楽になるメモ

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在宅ワークが多くなったこの頃。

 

資料を事前に配布していたりするのですが、新しいアイディアや仕様・要求を調整する際に結構ペンタブを使用することになったので紹介します。

 

機械設計にもよるかと思うのですが、新規の提案をするときに図が必要になると強く感じました。

 

スピード感が足りない

マウスで図を描くと、慣れていないせいもあるのですが遅くなってしまいます。

新しいアイディアの提案・確認

お互いに共通する単語を持っていない場合、それぞれ別のものと解釈してしまうことがあります。

その場で検索するにしても、微妙に画像が違うと伝わらないことがあります。

ニュアンスを伝えるのが難しい

同じ業界であればよいのですが、異業界や新規の企業と話す場合、業界独特の言い回しにより、お互い勝手に解釈して判断してしまうことが失敗のもとになります。

図面ができてからでは遅い

図面作成となると、それなりに時間が掛かります。

ポンチ絵でよいと伝えると、企業によってはパワーポイントに書いてきたり、図面にしてくる場合があります。

パワーポイントならいいのですが、図面の場合は、出てくるのが遅くなります。

 

ということでペンタブを使い始めました。

 

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JAXAとNASAの宇宙関連のギネス世界記録7選

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JAXANASAなどの宇宙に関わるギネス記録をまとめました。

  

[目次]

世界初の小惑星からの物質を持ち帰った探査機はやぶさ

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2003年5月9日に内之浦宇宙空間観測所から打上げられた探査機はやぶさは、2005年に小惑星イトカワに到達しました。

 

その約5年後の2010年6月13日に、小惑星イトカワの物質を持ち帰り、いわゆるサンプルリターンを世界で初めて成功させました。

 

この成果はのちの小惑星探査機はやぶさ2に踏襲されて、2020年に資料が入ったカプセルを地球に着陸させました。

 

ちなみにはやぶさ2は現在も別の小惑星に接近し観測するために2021年現在も運用中です。

 

最小の軌道ロケット SS-520 5号機

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2018年2月3日に内之浦宇宙空間観測所から打上げられたJAXAの観測ロケットSS-520 5号機が、「smallest orbital rocket」としてギネス世界記録に認定されました。

 

観測ロケットSS-520は、全長9.65m直径0.52mでだいたい電柱サイズと称しているところもあります。

 

SS-520 5号機は、東京大学で開発された超小型衛星「たすき」(TRICOM-1R)を軌道投入に成功しました。

SS-520人工衛星などの搭載ペイロードは3㎏で、たすきは3Uと呼ばれる全長30cmで両幅10cmのCubeSat級衛星です。

 

SS-520 4号機でも小型衛星を搭載していたが、ロケットのテレメトリが途中で断絶され、軌道投入が失敗しています。

 

ちなみに、現在JAXAが運用している観測ロケットはS-310(到達高度150km)、S-520(到達高度300km)、SS-520(到達高度800km)の3機種です。

 

最も低い地球観測衛星の軌道高度 技術試験機「つばめ」(SLATS

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軌道高度200~300kmでは、地球に存在する大気抵抗や原子状酸素のため、地球観測衛星には不向きであるとされていました。

 

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)は、167.4kmで7日間の軌道保持を行い、ギネス世界記録認定とされました。

 

2017年12月23日に打上げられたSLATSは、271.1km以下の低軌道保持運用を2019年9月30日まで行い、2019年10月1日に停波されました。

 

SLATSは、イオンエンジンを用いて軌道高度を保持する技術を実証しました。

 

実用的には、より高高度の地球観測衛星よりも高い分解能での画像データの取得を可能とすることです。

 

高度が低ければ、同程度のサイズの人工衛星の地球観測データよりもより高分解能の衛星データを取得することができます。

 

ロケットペイロードや観測装置のサイズの物理的制限により困難な分解能を実現することができます。

 

科学的には、観測ロケットよりも長期間の観測が可能となります。

 

その他の日本の宇宙関係

JAXA以外でも日本の宇宙関係では、いくつかギネス世界記録認定されています。

 

トヨタ自動車電通東京大学先端科学技術研究センター、ロボ・ガレージによる共同プロジェクト「KIBO ROBOT PROJECT」が協力したプロジェクトを1つあげておきます。

 

2013年に種子島から打ち上げられ、国際宇宙ステーションでロボット宇宙飛行士として1年6か月程度の任務をおこなったKIROBO(キロボ)が「地上から一番高い場所で対話をしたロボット」と「初めて宇宙に行った寄り添いロボット」としてギネス世界記録認定されています。

 

KIROBO若田光一宇宙飛行士と共に国際宇宙ステーションで実験を行い、2015年2月11日に地球へ帰還しています。

 

NASAのギネス記録3選

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NASAによるギネス記録の一部は、ギネス公式にてまとめられています。

 

大気圏を越えた"ギネス世界記録:NASAによる60年の宇宙開発と、樹立・更新したギネス世界記録14選

https://www.guinnessworldrecords.jp/news/2018/10/14-out-of-this-world-nasa-records-as-it-celebrates-60-years-of-space-exploration-543276

 

その中で気になるものを一部抜き出してみます。

 

1966年:2機の宇宙機による、史上初のドッキング

有人の宇宙船であるジェミニ8号を操作して、アジェナ標的衛星とドッキングを成功させたというものです。

 

現在、JAXA国際宇宙ステーションの補給機(HTV)やSpaceXの貨物輸送宇宙船ドラゴンのようにロボットアームを使用したものではありません。

 

このエピソードは、史上初のドッキングというより、ジェミニ8号機の推進系の故障により宇宙船が回転し始め、ニール・アームストロングとデービッド・スコットがどうにか地球上へ着水するに至った事故の方が有名な話ですね。

 

ちなみに、ジェミニ8号の乗組員であるニール・アームストロングは、アポロ11号のアームストロング船長です。

 

1976年:火星への着率にはじめて成功した探査機

火星に初めて到着した探査機は、ソビエト連邦マルス3号機だったそうです。

しかし、ミッションの成功まではいかなったそうで原因不明の故障にて数十秒の信号を飛ばしただけでした。

 

成功した探査機は、1976年に打上げられたソビエト連邦のバイキング1号です。

 

火星上で土壌や大気などのデータを取得し、約6年もの間、取得したデータを地球に送信し続けました。

 

2011年に打上げられ、2012年8月に火星に着陸。

現在も運用されているマーズ・サイエンス・ラボラトリー(Mars Science Laboratory、 MSL)と、探査機ローバーのキュリオシティ(Curiosity)。

 

2020年に打上げられ、2021年2月に着陸。

同じく現在も運用されているマーズ2020(Mars 2020)と、探査機ローバーのパーサヴィアランス(Perseverance)と小型の火星用ヘリコプターのインジェニュイティ(Ingenuity)。

 

現在火星で活動を続けている2機の探査機のデータとも比較されているようです。

 

1990年:世界最大の宇宙望遠鏡

 1990年にスペースシャトルで打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡が、長さ13mを誇り、宇宙に設置された最も大きな望遠鏡として記録されています。

 

望遠鏡に納められている主鏡は直径2.4メートルで、大気の影響を受けないことから高精度の天文観測が可能となっています。

 

次世代機のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が予定されていますので、その内に塗り替えられことでしょう。

 

参考資料

はやぶさ」ギネス世界記録に認定

https://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2011/0613.shtml

小惑星探査機「はやぶさ

https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/past/hayabusa.html

JAXA はやぶさ2プロジェクト

https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

SS-520 5号機がギネス世界記録®︎に認定されました

https://www.isas.jaxa.jp/topics/001352.html

S-310/S-520/SS-520(観測ロケット)

https://www.jaxa.jp/projects/rockets/s_rockets/index_j.html

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)がギネス世界記録(R)に認定されました

https://www.jaxa.jp/press/2019/12/20191224a_j.html

超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の運用終了について

https://www.jaxa.jp/press/2019/10/20191002a_j.html

宇宙から帰還したトヨタの「キロボ」が会見、ギネス認定へ!

https://clicccar.com/2015/03/30/300752/

ロボット宇宙飛行士 KIROBO、2つのギネス世界記録に認定

https://response.jp/article/2015/03/27/247626.html

大気圏を越えた"ギネス世界記録:NASAによる60年の宇宙開発と、樹立・更新したギネス世界記録14選

https://www.guinnessworldrecords.jp/news/2018/10/14-out-of-this-world-nasa-records-as-it-celebrates-60-years-of-space-exploration-543276

アポロ11号アームストロング船長の知られざる偉業

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/11-27_1.php

人類初の火星着陸から40年。バイキング1号のアナログデータ復元を目指すNASAの科学者

https://jp.techcrunch.com/2016/07/21/2016072040-years-after-the-first-landing-on-mars-this-nasa-scientist-looks-to-resurrect-viking-1s-analog-data/

NASA's Viking Data Lives on, Inspires 40 Years Later

https://www.nasa.gov/feature/goddard/2016/nasas-viking-data-lives-on-inspires-40-years-later

The Mars Helicopter Ingenuity: A deep dive into its 6-pack

https://www.linkedin.com/pulse/mars-helicopter-ingenuity-deep-dive-its-6-pack-damien-frost

海の風を人工衛星で観測する具体的手法

f:id:MSDSSph:20210701012627j:plain宇宙機から地上の風を観測できるって知っていますか?

 

実は宇宙機に搭載した観測機器で測定できます。

といっても地上での観測機器と同一のものが搭載されています。

 

宇宙/軌道上から観測できる利点は何があるのでしょうかね。

 

人工衛星の有用な点は、国境を越えることと海上の観測もできるということでしょうか。

人工衛星のデータは、インフラとしても役立っており、国境を越える船舶や航空機への航行に使われています。

 

気象の解析にも使用され、台風の解析にも使用されています。

このように天気予報を改善するだけでなく、海洋の物理学などの学術的な研究にも生かされています。

 

最近では、海洋で利用される可能性のある風力エネルギーの推定などにも使用される可能性があります。

 

 

海上の風速測定:マイクロ波散乱計

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マイクロ波散乱計で、風速・風向を算出している。

 

地上観測装置でも衛星観測装置でも変わらず、センサーから照射したマイクロ波が、海面に受けた時に後方散乱され、観測装置で受信した時の強度から風速・風向を算出しています。

 

 

海上を吹く風が弱いと水面に波があまりたたず、観測装置側にほとんど返ってこない。
逆に風が強いとき、水面に風浪が数多くできるため、マイクロ波が散乱され、観測装置まで返ってくることを利用しています。

 

発射するマイクロ波の入射角が20°以上の場合で、良好な解像度を得ることができる。

観測誤差を考慮し、入射角の異なる3~4つの観測値を取得することで、風速と風向の2つを算出しています。

 

算出手法から海面上のすぐ真上にある風というより、海面上に働く風で発生する数cmの波を観測していると考えられ、おおよそ海上10m程度の風速・風向を示しているようです。

誤差は0.2m-1以上で観測することができ、沿岸地域ではより大きい誤差が発生する。

また、強い降水域では雨粒によって生じるノイズのためデータの精度が落ちてしまう。

 

空間分解能25kmで、風速の精度1ms-1、風向の精度20°程度で観測可能であることが分かっている。

 

波浪や台風などの状況監視や、エルニーニョなどの監視にも利用されている。

 

大気追跡風による観測

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大気追跡風は、1978年から使用されており、解析の蓄積が多く、安定した運用が実現されている。

 

大気追跡風とは、時間的に連続する3枚の画像をもとに、雲及び水蒸気の分布(赤外放射データ)を追跡して算出されたものである。

 

解析には、高度の指定や台風などのターゲットの追跡、位置情報の確定、ノイズの除去や品質評価を行っている。

 

空間分解能の向上とと撮像時間間隔を短くすること分析可能な地域をさらに絞ることができる。

 

ただし、高度推定の精度が悪いことが分かっている。

 

Cバンド帯によるドップラーライダーによる観測(計画)

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Cバンド帯によるレーザー光を大気中に照射すると、エアロゾル(Aerosol)と呼ばれる大気中に浮遊する塵に衝突した際に、衝突しドップラー効果で周波数が変化する。

 

周波数の変化を観測することで、反射した時間からエアロゾルあるいは雨粒や雪片の距離を測定しつつ、エアロゾルあるいは雨粒や雪片がどの程度の速さであるかを求めることができる。

 

エアロゾルなどの粒子の動きは、大気の動きすなわち風により動いていることから、風の流れ(ドップラー速度)を関することができる。

 

ドップラーライダーの宇宙コンポーネントは、日本の組織であるNICTによって計画されている。一時期国際宇宙ステーションNASAと協力する方向で進んでいたが、結局のところ採択されていないのが現状である。

 

気象庁が実施している風観測

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地上の気象観測は、全国の有人の観測所や無人化した特別地域観測所、及び地域気象観測システムで実施されている。

 

建物の屋上に設置した風向風速計を設置して、風を観測しており、全国の空港でも空港気象観測の一つとして風を観測している。

 

風向風速計からは10分程度の平均値をもって、平均風速として報告されている。

最大瞬間風速については、複数個のデータを3秒間分取得し、算出している。

 

Cバンド帯をもつ気象レーダーの電波を用いて、降雨(雨や雪)の分布や強度以外にも、降水粒子の移動に伴うドップラー効果を利用して風を算出している。

複数台のドップラーレーダーから同一領域を観測することで、風のベクトルを求めている。

 

気象庁の観測に限らず、漁港や空港などでは、船やブイ、別途設備されたアンテナ、風速計などから風を観測していた。

 

1980年代、1990年代ではなくすでに100年以上の歴史がある。

地上から観測していたものが、海上、上空、宇宙(軌道上)にまで広がっているが、現在でも詳細に観測・解析・分析できていないのが実情である。

 

低軌道の高頻度の観測により精度が向上されていく気配があるのだが、最近はやりのコンステレーションによる通信衛星や光学衛星より目立っていない。

 

国境を越えた移動という意味では、船舶や航空機を所有・管理する企業、国家に対して重要なデータであるのだが、販売する相手が限られており、十分な利益が見込めないのか、企業側が現状で満足しているのかどちらかであろう。

 

静止衛星によるサービスがメインであり、低軌道衛星によるサービスを提供するメリットがあるか分析の必要はある。

 

日本のリアルタイム海上

 

世界版リアルタイム風向きマップ

http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/gpv/wind/

日本海マリーナの波シミュレーター

https://www.umitenki.jp/tenki/2792/wave

YAHOO全国風予測

https://weather.yahoo.co.jp/weather/wind/?m=ground

 


 

参考文献

衛星搭載マイクロ波散乱計による海上風ベクトルの観測 2002年 

http://www.metsoc-hokkaido.jp/saihyo/pdf/saihyo48/saihyo48-002.pdf

 マイクロ波散乱計による海上風観測 2009年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jawe/34/3/34_3_337/_pdf

Rutherford 散乱断面積 

http://www.nucleng.kyoto-u.ac.jp/People/Itoh/3.pdf

航空機搭載用マイクロ波雨域散乱計/放射計システムの開発と実験

http://www.nict.go.jp/publication/kiho/32/163/Kiho_Vol32_No163_pp127-138.pdf

衛星による海上風のリモートセンシングSEASAT-A・散乱計システムの技術とその基礎

https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1980/1980_02_0087.pdf

人工衛星による海上風の観測

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1998/00821/contents/013.htm 

第4章 メソ解析の改善

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1998/00821/contents/013.htm

レーザーレーダー 地球環境のリモートセンシング

https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/31-03-kougi.pdf 

気象庁の風観測

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jawe/34/3/34_3_322/_pdf/-char/ja

大気追跡風算出アルゴリズム 目次

https://www.data.jma.go.jp/mscweb/technotes/msctechrep58-1.pdf

大気追跡風

https://weather-models.info/latest/satellite-wind.html

宇宙からの風

https://www2.nict.go.jp/res/lidar/p7.html

空港気象ドップラーライダーによる観測

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/2_kannsoku/24_lidar/24_lidar.html

空港気象ドップラーレーダーによる観測

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/2_kannsoku/23_draw/23_draw.html#doppler

衛星搭載ドップラーライダー実現を目指して

https://laser-sensing.jp/29thLSS/29th_papers/A-3.pdf

海風はどのように測定されますか?

 

https://podaac.jpl.nasa.gov/OceanWinds

 

 

ハニカム構造の7つの利点と7つの欠点、6つのコスト要因

ハニカム構造の特徴をまとめてみました

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以前、ハニカム構造の歴史と実例をまとめました。

 

mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com

mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com

 

まとめたはいいものの、何か特徴があるのか、なぜ使用されているのが具体化していなかったところをまとめました。

 

 

ハニカム構造の利点 

軽量(低密度)

ハニカムパネルのコア層は、六角形あるいは三角形(トラス構造)が規則的に配置されている。コア部の断面積が小さくなり密度が低くなります。

同じ厚さの金属や樹脂よりもはるかに密度が小さくなり、同じ体積でも軽量となります。

高強度で優れた剛性

ハニカムパネルの構造は、六角形あるいは三角形(トラス構造)が規則的に配置されているコア部を板材のスキンで挟む構造をしており、スキンの面内に優れた合成を持つことになります。

 

せん断応力に耐え、スキンにより構造が崩れないようにサポートします。コア自体が緻密な補強材の役割を役割を果たし、断面二次モーメントが高くなり、全体的な剛性と安定性も向上します。

優れた耐衝撃性と振動減衰

ハニカムパネルが外部から衝撃を受けると、衝撃力をハニカムコアの塑性変形(外力による変形)エネルギーに変換し、六角あるいは三角方向に分散され、衝撃エネルギーを効果的に吸収します。

 

衝撃でへこみが発生しても、コア自体に亀裂が発生することなく、スキンやコア材にもよりますが、アルミニウム材の場合は靭性(材料の破壊に対する抵抗、破壊しにくさ)が良く、耐衝撃性が強いことがわかります。

 

耐衝撃性がつよいため、振動を減衰させる耐振性、防振性も高く素材と言えます。

遮音と断熱

ハニカムパネル自体の製造に使用される材料単体では、断熱性と遮音性がなく、アルミニウム材の場合は熱と音の優れた伝導体となります。

しかし、ハニカム構造により、優れた断熱性能と遮音性能を備えることができます。

 

ハニカム構造は、コア材とスキンを接着剤で挟むことになりますが、内部がほぼ密封状態となります。空気の対流が発生しない(少ない)ため、熱の伝達が難しくなり、音波も空気が振動することが少なくなります。

 

宇宙に使用されるハニカムパネルの場合は、打上げ時や軌道上での温度による空気の膨張や収縮が発生し、空気による材料の劣化が発生することから、コア部分に小さい穴が開いていることが多いです。

それでも、空間が物理的に空いていること、スキンという障壁があること、伝達する対象(コア材)が薄いことから、通常の材料よりは遮音性と断熱性が高くなります。

不燃性(難燃性)および耐湿性

ハニカム構造はコア材にスキンが挟まれているのですが、使用される材料がアルミニウム材などの不燃材であれば難燃性が向上します。

 

接着剤が燃焼する場合もありますが、ハニカムパネルを製造する際に、コア材とスキンを固着する接着剤は、高温で接着するタイプが多いことから、燃えることは少ない。

加熱により内部から空気が膨張する場合もあるが、ハニカム構造自体の剛性が高いため、構造が崩れるほどの変更が起こることはない。

 

そもそも接着剤で挟み込む時点で、加圧、加熱し、空気が膨張することから、微細な空気穴がコア材に入っていることが多い。

さらに、アルミニウムの場合であれば、通常の金属よりも化学的安定性、耐食性、耐湿性も、素材自体の高い特性を備えている。

良好な成形性と自在な厚さ

特定の要求に応じて、平板、シングルカーブパネル、ダブルカーブパネルの形状にすることもできます。

コア材やスキンは、成形する前だと容易に変形させることができるため、飛行機などの曲線を成形することが可能となっています。しかも、成形後は変形も少なく厚みもほぼ自在にできます。

美しい外観とお手入れが容易

ハニカムパネルのスキンを変えることにより、さまざまな色やパターン、触感や質感を再現することができます。

インテリアとしても使用される材料となっています。

ハニカム構造の欠点

成形性が悪い

一部段ボールのように、紙で構成されている場合は多少加工性が良いが、金属で構成されたハニカムパネルは、パネルを成形した時に形状がほぼ決まってしまう。

金属のように、一度曲線にしたものを成形して直線に戻すことが難しい。

破損耐性が低い

破損後の修復が難しい。凹みが発生すると補修材などで埋めるても、強度や重さ周囲と違い、バランスが崩れてしまう。

部分的にくり抜き、コア材を埋め、段差になりやすいがスキン材で補修することとなる。

側面側の剛性が弱い

スキンの貼られている面内方向と比べて、スキンの側面の面外方向は、薄いコア材であるため強度が低い。

ハニカムパネルの製品によっては、スキンが貼られる場合もあるが、面内方向よりも強度が弱く、バルク材の方が断然強い強度を示す。

高温耐性が低い

ハニカム構造を構成するためには、コア材とスキンだけでは不足しており、接着剤が必要不可欠である。

使用温度範囲は接着剤の硬化後の温度範囲に制限される。

 

例えば、近年の技術で向上しているかもしれないが、高温の場合は600℃以上、低温の場合は、-40℃以下を越えると接着剤の粘着性が劣化し、剝離の可能性がある。

ボルト締結性が悪い

金属の場合、具材自体にタップやヘリサートを挿入することで簡単に2つ以上の部品をボルト(ネジ)固定することができる。

ハニカム構造の場合、スキンが薄く、コア材は空洞であるために、締結加工を施すことができない。

 

スキンの間にコア材の代わりに、金属具材を挟み成形と同時に加圧接合し、後処理で挿入するか、前処理でタップやヘリサートが入った金属具材を加圧接合すか、コア材を高密度化する必要がある。

放電加工・溶接加工が困難

複合材であり、放電加工時に各々の特性をもとに加工条件が変わるため、複雑な加工ができる放電加工が困難である。

フライス盤(ミリング・マシン)による切削加工で加工することになる。

 

溶接は、溶着する具材との相性が品質に関わってくる。

異なる具材の組み合わせであることが多いハニカムパネルと相性が悪い。挟み込むスキンの両面から溶接したり、スキンを厚くするなどの対策が必要となる。

製造コストが高い

金属板と比べて、多くの人が介在することもあり、成形コストが高くなる。後述参照。

ハニカムパネルのコスト要因

コア材の厚さ

ハニカムパネルの仕様は、コア材の種類(アルミニウム材、ノーメックス紙、ケプラー繊維、ABS樹脂、ポリカーボネートポリプロピレン、ポリエチレン、ステンレス鋼)と厚さによって決まります。

ハニカムパネルのスキンの仕様が異なれば、密度や機械的特性も異なるため、コストも異なります。

コア材のサイズ

ハニカムコアの仕様は、コアのサイズで仕様が決まります。アルミニウム材の場合、サイズは1/4inch、3/8inch、1/2inch、3/4inchなどインチサイズで表現されます。

サイズにより密度が変わり、使用する材料費も異なります。

スキンの材質

ハニカムパネルのコストは、スキン材の材質、幅、厚さ、製造元、処理によって異なります。

スキン材の材質として、アルミニウム材以外にCFRP(カーボン繊維材、炭素繊維材、ガラス繊維材、グラスファイバー)がよく知られています。

接着剤

コア材とスキンを挟み込み、接着剤で固着します。

接着剤には、均一に塗布する必要があるため、シート型の接着剤を使用することもあります。

ハニカムパネルの使用用途によりますが、使用環境により接着剤が劣化したり、粘着力が低下することのない温度範囲に対応するためには、接着剤(エポキシ樹脂、フェノール樹脂)の選択が必要となります。

生産・加工管理費

製造メーカーの人件費、加工費、設備管理費用がコストに影響します。

加工費はハニカムパネルの切削や、成形にかかる費用となります。

成形時に加熱することから、金属の歪みや曲げがあるために平坦に成形するにしても、曲げて成形するにしても工夫が必要であり、加工費が増える場合がある。

表面処理

表面処理方法は、表面処理を施したスキン材を使用したり、スプレーコーティング、通常の金属表面処理(アルマイト陽極酸化被膜、アロジン:化成皮膜処理)を行う。

 

以上のハニカムパネルの特性とコスト要因

 

ハニカム構造の用途(使われ方)

船舶関係

腐食性の高い海洋環境でも使用できます

  • 水上ボート
  • クルーズ船
  • 船内の内壁パネル、天井、ドアパネル
  • ヨット
  • オフシェアボート
  • 沿岸警備隊の救命ボート
航空業界

重量を減らし、飛行距離とペイロード(搭載重量)を増やす効果的な方法です。

高高度を飛行することから極端な温度変動に対する変形や熱に耐えることができます。

運輸業

リサイクル可能で、軽量で、持続可能で実装が容易な材料を求められています。

  • 客車構造の内部のクラッディング(被覆材)や屋根
  • 500系新幹線
  • N700シリーズ新幹線パンタグラフカバー
  • 列車のバルクヘッドと床
  • 大型トラックのキャビンや保管システム内
  • トレーラー
  • RV車
  • 車の外板とドア
建築業界

高い剛性と均一な表面、遮音性、断熱性が優れている建築材料。

  • クリーンルームの天井や壁
  • インテリアデザインの内壁
  • 建築屋根や天井 
  • 耐熱パネル
  • 防音パネル
  • 石膏ボード
  • 天然大理石、御影石(スキン材)
  • カーテンウォール
  • スクリーンの仕切り
  • ルーバー(鎧戸(よろいど)、ガラリ戸)
  • 高層ビルのルーバーや屋根の天井、スクリーンの仕切り、防音パネル
  • 耐震具材(振動減衰)
  • 外壁装飾、軒裏装飾用ハニカムパネル
  • キッチン
 その他
  • レージングシェル
  • LED技術
  • 望遠鏡のミラー構造
  • 衝撃吸収装置
  • 風力タービンのローターブレード

規格類

日本にはハニカム構造あるいはハニカムパネルに関するJIS規格がありませんが、海外にはあるようですので、名称だけ紹介します。

  • NPFC-MIL-STD-401 サンドイッチ構造とコア材料; 一般的な試験方法
  • ASTME1555 サンドイッチパネル修理用の構造用ペースト接着剤の標準仕様
  • SAEAMS-C-8073 コア材料、プラスチックハニカム、航空機の構造および電子用途向けの合わせガラスファブリックベース
  • SAEARP5606 複合ハニカムNDI参照標準
  • ASTME2580 航空宇宙用途で使用されるフラットパネル複合材料とサンドイッチコア材料の超音波試験の標準的な方法
  • ASTME1091 シェルターパネルで使用するための非金属ハニカムコアの標準仕様

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参考文献

Advantages and Applications of Aluminum Honeycomb Composite Material

https://www.honeycombchina.com/info/advantages-and-applications-of-aluminum-honeyc-43897787.html

10 Things You Need to Know about Aluminum Honeycomb Panel

https://www.arrow-dragon.com/10-things-you-need-to-know-about-aluminum-honeycomb-panel/

 

Application Areas of Aluminum Honeycomb Panels

https://www.honeycombchina.com/info/application-areas-of-aluminum-honeycomb-panels-44081491.html

The Features of Aluminum Honeycomb Panel and Its Price Determining Factors

https://www.linkedin.com/pulse/features-aluminum-honeycomb-panel-its-price-determining-david-he

Aluminium Honeycomb Panels: Uses and Benefits

https://www.panelsystems.co.uk/advice-centre/lightweight-composite-and-honeycomb-panels/aluminium-honeycomb-panels-uses-and-benefits

天然石+ハニカムパネル

http://honeycombsolution.jp/2-2-nature-stone-honeycomb-panel.html

当社は天然の大理石や御影石を厚さ4mm*にしました。

https://www.bos-stone.co.jp/

Honeycombs and Honeycomb Materials Information

https://www.globalspec.com/learnmore/materials_chemicals_adhesives/composites_textiles_reinforcements/honeycombs_honeycomb_materials

Brazed honeycomb panels (BP)

https://uacj-automobile.com/honeycomb01.html

Intro to Honeycomb Panels and Uses

https://monarchmetal.com/blog/intro-to-honeycomb-panels-and-uses/

Understanding Honeycomb Panels

https://www.plascore.com/honeycomb/honeycomb-panels/

Advantages of Aluminium Honeycomb Panels Compared To Traditional Building Materials

https://www.gilcrestmanufacturing.com/news/technical-news/advantages-aluminium-honeycomb-panels-compared-traditional-building-materials/

Aluminium honeycomb for Architecture, Construction & Clean Rooms

https://corex-honeycomb.com/applications/architecture-construction-clean-rooms/

Construction

https://honylite.com/industries/construction/

Aluminium Honeycomb

https://corex-honeycomb.com/products-and-services/aluminium-honeycomb/

What are the advantages and disadvantages of honeycomb paperboard?

https://www.zydhoneycomb.com/what-are-the-advantages-and-disadvantages-of-honeycomb-paperboard.html

2021年の上半期の半導体、原材料不足についてのメモ

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2021年初頭から、半導体生産不足という報告がされている。

 

部品製造に関わる原材料不足は、様々な業界に飛び火し、部品の調達が困難になってきているという話です。

 

 

ABFとガラス基板の不足

 

味の素グループの味の素ファインテクノが製造している「Ajinomoto Build-up Film」(ABF)は、すべてのコンピューターに搭載されている高性能中央処理装置(Central Processing Unit:PCU)の基板のためのグルタミン酸由来の層間絶縁フィルムである。

基板の集積度を上げ、従来よりも製造コストを下げ、品質も均一化することとなったのだが、そんなABFが不足している。

 

コロナウィルスをきっかけとして、在宅による仕事が増えたことで、自宅のパソコンを購入あるいはグレードアップさせるために、コンピューターの需要が増大したために供給不足に陥っている。

 

これはコンピューター以外にも、5Gの通信機器や液晶ディスプレイ/モニターの需要も増えている。

 

ABFに限らず、ガラス基板も合わせて不足し、価格も上昇する可能性を示している。

どうも2021年2月の寒波による停電で、ガラス基板の材料であるポリアミド材を製造しているナイロン樹脂メーカーの工場が影響を受け、安定的な供給ができなくなっていた。

ポリアミド材の供給は復活しているが、一時的にでも停滞していたことから影響が出ているようだ。

 

ナイロン樹脂(ナイロン66)は、世界的にも北米での製造が主力となっているため、基板だけではなく、自動車用、産業用に限らず、繊維材にも影響を与えていた。

 

PCBおよび銅箔不足

コンピューターに限らず多くの電子機器で使用されているPCBと銅箔も不足している。

 

電気自動車(EV)などの電化製品の増大やバッテリー用の銅線/銅箔も不足している。

上記樹脂の影響と合わせて、銅と樹脂の両方を使うコネクタや樹脂ケース、スイッチなど電子部品への影響が拡大している。

 

シリコンウェハー不足の悪化

2019年の時点で、シリコンウェハーの需要急増による供給不足及び製造困難、国際取引の制限によりシリコンウェハー不足が言われていた。

 

コロナウィルスにより、世界中での自動車の需要が落ち込み、自動車で使われる部品がキャンセルされた。

その後、スマートフォンやゲーム機、コンピューターへの関心が上昇し、自動車の需要が回復を始めた段階では、その需要に対応できなくなった。

 

シリコンウェハーによって製造される半導体チップが自動車産業を始め、多くの業界に影響を及ぼしている。

 

シリコンの場合は、原材料だけではなく、世界の3分の2を占める半導体ウェハーを製造している台湾(台湾積体電路製造(TSMC)、マイクロン・テクノロジー、および聯華電子(UMC))で、干ばつを受けたことで、半導体製造に必要な大量の水にも影響を及ぼしている。

ただ半導体製造は、政府含めた対策により、影響を軽微にしようと対応している。

 

日本で半導体不足が一般のニュースで取り上げられ始めたのは、2021年3月に茨城県で発生したルネサンスエレクトロニクスでのクリーンルーム火災からだった思う。

 

その前からも使用する半導体の入手に、日本を含めた各メーカーで対応、納期遅延が発生している。

 

先に述べたアメリカを襲った寒波は、半導体だけではなく、石油生産をおこなっている製油所も停止してしまったために、影響を受けた産業が拡大している。

 

参照文献

ABFフィルム

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/our_innovation/abf/

強みに特化し、ビジネスパートナーと協業体制を構築することで、世界標準を維持

https://www.porterprize.org/pastwinner/2012/12/01175539.html

Raw Material Shortage Marks Latest Setback for Components Industry

https://www.sourcengine.com/blog/components-industry-raw-material-shortage-latest-2021-01-20

These 169 industries are being hit by the global chip shortage

https://finance.yahoo.com/news/these-industries-are-hit-hardest-by-the-global-chip-shortage-122854251.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly93d3cuc291cmNlbmdpbmUuY29tLw&guce_referrer_sig=AQAAADujI9MfYl1hzMDV0OXGGnQxHlaUkFmV9I-Dwdvc68DBdy10LmH7sNdfOU-ecNOl3GTi4J2_eMqPQyeLcyKSJmxwk4S8dhxawImiHcJr3iGDxKAnexcgNlAu4rbl_lMfk97XBVpgNyh3s0YIXMv2nIba6bQyY0x6JoP6S677t-0D

 コネクターなどナイロン樹脂パーツの供給問題について

http://toukai-denkidenshi-sekkei.com/hama/tsubuyaki_2228.html

ナイロン不足で素材各社が対応急ぐ、代替品提案に追い風か

https://newswitch.jp/p/26580

Samsung Electronicsの米工場稼働停止、世界のスマホ生産に影響

https://global-net.co.jp/archives/2713

気候変動による干ばつが半導体不足を深刻にする理由

https://shikiho.jp/news/0/419159

半導体メーカーに水奪われた「台湾農家」の憂鬱

https://toyokeizai.net/articles/-/422748?page=2

原油先物が一段高、テキサス州寒波でパーミアン盆地の供給減少

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-15/QOJM64T0AFB801

原油先物4%高、寒波被害の米石油生産正常化に時間との見通しで

https://jp.reuters.com/article/global-oil-idJPKBN2AM2KL

電気の実作業(保守点検、設置)における危険な現象4選

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現代の世の中は電気に囲まれて生きている。

 

電気を制御し、あらゆる機器を動かしているわけだが、それを製造・管理している職業の人たちは、職場での電気の危険性について注意しておく必要がある。

 

本記事では電気的危険性のある事象をまとめた。

 

電力機器あるいは電力システムの手順書や取扱説明書、作業前打合せなどで、少なくとも以下の注意点があると、より作業者の危険が減ると願っている。

 

[目次]

 

感電

50Vを越える電圧で。5mAを越える電流が流れる部分に直接接触すると、筋肉を麻痺させ、臓器を壊し、心臓に致命的な影響を及ぼす。

 

感電の重症度は、身体に流れる電流の大きさ、電流の経路、接触時間により変化する。

短時間であっても、内部/外部の火傷などの重傷を負う可能性がある。

 

アークフラッシュ

通電された導体に直接接触してはいけない。

アーク放電(電弧、電弧放電)によって高温、高エネルギーの放出により発生するアークフラッシュの危険性がある。

 

アークフラッシュは、大きな断層電流が流れているときに、お互い近接している導体を通し、電位差により空気をイオン化し、低抵抗な部分にも伝達する。

 

ブレーカーが落ちた時に、再度オンするときに発生することが多い。オンする前に、原因を特定し取り取り除くことなくオンしてしまうと簡単にアークフラッシュが発生する。

 

高電圧や低電圧といった電圧の大小は無関係であるので注意が必要である。

だいたい400V以上で負傷の可能性が大きくなってくる。

 

周辺の金属を気化させて発火させることはもちろん、閃光も発生する。

 

光による失明以外にも、空気を高温・爆風により2メートル程度で致死の危険性も少なからず、5メートル程度離れていても火傷を引き起こす可能性がある。

 

電気事故による入院の大部分は、感電ではなくアークフラッシュによる火傷によるものである。

 

アークブラスト

アークブラストは、アーク放電によって引き起こされる高圧音波、爆風である。

アークフラッシュの結果、周辺の空気と金属が高温になることで気化、爆発膨張を引き起こす。

 

導体である銅が蒸発すると、元の体積の67,000倍に膨張し逃げることは難しく、空気を含めて高圧の爆風と高デシベルの音圧が放出される。

 

アークフラッシュと同様に、失明や火傷の危険以外にも、音圧による聴力障害や脳震盪を引き起こす。

 

火傷

電気事故での火傷は、電気火傷と熱源接触の火傷のタイプが多い。

 

電気火傷は、身体の中に電流が流れることで、熱が拡散できず、皮膚組織や内臓組織の損傷を与える。

 

熱源接触の火傷は、加熱した導体に接触することで皮膚表面が火傷するものである。

 

銅線や導体の露出部分に注意しておく必要がありますが、パネルなどで閉じられた電気機器の場合は、パネル裏など開缶したときに接触する恐れがある。

 

どのように開けるか、手順書には明記しておかなければ、不意に触れてしまう可能性ががある。

 

衝撃のアークフラッシュの動画

www.youtube.com

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参考文献

Arc flash

https://en.wikipedia.org/wiki/Arc_flash

Electrical Safety Program - Why Your Company Needs an Electrical Safety Program

https://www.allumiax.com/blog/electrical-safety-program-2018-guide#safety-standards

電気回路のショートによるアークフラッシュの危険性

https://www.jniosh.johas.go.jp/icpro/jicosh-old/japanese/library/highlight/nsc/2004/04_03/BB96.html

あなたはアークフラッシュが何であるか知っていますか?そうでなかったら、読み続けなさい、それは重要である。

https://crushtymks.com/ja/safety/1451-do-you-know-what-an-arc-flash-is-if-not-keep-reading-it8217s-important.html

 

人工衛星及びロケットに関わる宇宙神社

日本では八百万の神といわれるように、様々な神様がおり、神社に祀られています。

 

珍しいものを祀っている一つとして飛行機があります。

 

飛行機に関わる神社として、羽田神社(東京都大田区)、飛不動尊(東京都台東区)、航空神社(東京都港区)、所澤神明社(埼玉県所沢市)、飛行神社京都府八幡市)、泉州航空神社大阪府泉佐野市)と日本各地に存在しています。

 

飛行機に関わる神社が存在しているのであらば、人工衛星及びロケットの打上げに所縁の多い神社があるでしょうということで、今回の記事をまとめてみました。

 

【目次】

 

飛行神社は京都にある 

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知る限り、人工衛星を含めたロケットなどの飛行機関連で有名な神社は京都にある飛行神社ですね。(画像は違う場所です)

最寄り駅:(京都府)京阪電鉄 石清水八幡宮駅から南東へ徒歩5分

JAXAを始め、ロケットで有名な三菱重工などの関係者も訪れています。

 

祭られているのは饒速日命(にぎはやひのみこと)ですね。

饒速日命(にぎはやひのみこと)は古代の空の神といわれ、天津神のみことのりをうけて「天爾瑞宝十種」を奉じお供の神三十二柱を従えて天磐船という飛行船に乗って、河内国河上の哮峯に天降られた。そこから再び天磐船に乗り大空を翔行き大以倭国鳥見白庭山に遷り坐した神様です。
 命が天降られた哮峯には、磐船神社大阪府交野市私市)があり、ご神体は天磐船といわれる大石でその形が大船に似ているところから信仰の対象となっています。
 当社には大正4(1915)年に二宮忠八翁が飛行神社創建に当たって磐船神社大阪府交野市)よりご分霊いただきました。

飛行神社より

 

文書の中に出てくる「二宮忠八」は、ライト兄弟が飛行実験に成功する12年前の1891年4月29日に、ゴムを動力としたプロペラを利用した鳥(カラス)型模型飛行器を完成させ、10mの飛行に成功しました日本航空機の父と呼べる人物です

飛行機ではなく、飛行器と称しているのは、二宮 忠八自ら命名したため、あえて器としています。

 

1893年10月5日に、主翼が2枚ある複葉機の”玉虫型模型型飛行器”を作成したのですが、援助する人がおらず、見通しが立っていたにもかかわらず、 ライト兄弟の飛行実験成功の報を聞き、ライト兄弟を真似ただろうという評価しか受けないとして、製作中の飛行機を破壊したそうです。

 

やがて、世界が飛行時の時代となり、犠牲者が多く現れ、その霊を慰めるために資材を投じ、1915年に二宮忠八飛行神社を創建しました。

 

飛行神社には、航空業界初期の歴史資料を展示している二宮忠八資料館もあります。

 

JAXA筑波宇宙センターのあるつくば市内の筑波山神社

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JAXA筑波宇宙センターに勤める人が住まう土浦市つくば市の近郊にある霊峰筑波山にある筑波山神社

最寄り駅:(茨城県)つくばエクスプレス秋葉原よりつくば駅まで45分、筑波山シャトルバス40分

JAXA筑波宇宙センターあるいはつくば市内ですべての試験を終え、ロケット射場に搬送される前に、多くの人が訪れて成功祈願をしています。

 

筑波山は、関東地方に人が住むようになったころから、信仰の対象として仰がれてきました。御山から受ける恵みの数々は、まさに神からの賜物でありました。その山容が二峰相並ぶため、自然に男女二柱の祖神が祀られました。
その後祖神は「いざなぎの神、いざなみの神」と日本神話で伝えることから、筑波の大神も「いざなぎ、いざなみ両神」として仰がれています

(中略)

筑波山神社は坂東無双の名嶽とうたわれた筑波山を境内とし、万葉集に「二神の貴き御山と神代より人の言い継ぎ」と崇められているように、古代山岳信仰に始る国内屈指の古社である。西峯男体山頂(871m)の磐座に筑波男大神(伊弉諾尊)を、東峯女体山頂(877m)の磐座に筑波女大神(伊弉冊尊)を祀る。

(中略)

紀元元年、筑波山神社男体女体両宮が創祀され、(中略)1875年に現拝殿を造営して現在の規模を整えたのである。

筑波山神社とは

 

ロケット射場のある種子島の宝満神社

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種子島でのロケット打上げ時に関係者が参拝される宝満神社
アクセス: (鹿児島県)種子島空港から車で約40分、西之表港から車で約1時間5分

文化四丁卯年の創建である。祭神玉依姫命が水田を開き稲を作り、食生活を潤した御神徳を称え奉って、宝満池の畔の今の浄地に奉斎したものである。

島内各地で籾の付いた弥生式土器が出土し、天武天皇十年(六八一)には島の状況として、「粳稲常に豊なり、一たび植て両び収む」(日本書紀)と記され、当社縁起にも「種子島は日本における稲作の始まりの地」とあって、当社では今でも稲の原種ともいわれる「赤米」を神田で作っている。

宝満神社 由緒

 

由緒にある通り、稲作始まりの地であり、水稲農耕文化の初めとされる「赤米」を植える御田植祭(町無形文化財)が毎年4月5日ごろから行われている。

 

北海道のロケット射場近くにある大樹神社

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北海道のロケットの町大樹町にある大樹神社

アクセス:帯広駅西口から十勝バスで105分 大樹柏木町下車徒歩1分

ロケットの町の神社であることから、ロケット関係のお守りがあるようです。

ロケットのお守りというと、無事に軌道上に届けることから、運送・運搬関係にご利益がありそうですけどどうなんでしょうね。

 

 明治41年兵庫県三原郡阿万村(現三原郡南淡町)から入植した西田円蔵他数名の人々が発起し、郷里の亀ヶ岡八幡神社より御分霊を勧請、現境内地に社殿を建て「大樹八幡神社」としたのが創祀である。昭和3年、大樹村が広尾村から分村したことにより、大樹村一円を氏子区域とし、産土神社として尊崇を集めた。昭和9年には改めて京都石清水八幡宮から御分霊を勧請。昭和10年3月無格社「大樹神社」として認可された。昭和14年社殿を造営し村社への認可を申請したが、玉垣の未完成があり、完成後再度申請するようにと保留になったが終戦となった。昭和21年宗教法人となる。平成元年、御大典記念事業として、2億3千万円余の予算をもって社殿・手水舎・社務所の改築工事を行い平成3年に竣工した。

  

JAXA宇宙科学研究所のある相模原市内の新田稲荷神社

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JAXA宇宙科学研究所ISAS)があり、小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」にゆかりのある新田稲荷神社

最寄り駅:(神奈川県)JR横浜線淵野辺駅 から徒歩9分、矢部駅 から徒歩21分

日本を沸かせた小惑星探査機「はやぶさ」が宇宙空間で見失った際に、「発見祈願」にプロジェクトマネージャーの川口淳一郎さんが毎晩訪れたといいます。

その後の小惑星探査機「はやぶさ2」では成功祈願が行われました。

 

新田稲荷神社は、文政元年(1818年)から開拓の始まった淵野辺新田の鎮守として稲荷社として創建したといいます。

(中略)

このあたりは広大な原野であったため、いったん草に囲まれると方向がわからずに行方不明になる人もいました。そのため見晴らしのよい小高い山を築き、人さがしに御利益のある川口村(現在の八王子市)の今熊神社を勧請して行方不明者の捜索に役立てたといわれています。

(中略)

野火除のため開墾の芝や土などで約七メートルの塚を築き、頂上で鐘や太鼓を叩いて御祈りして探したと伝えられている。

新田稲荷神社の由緒

 

各開発拠点にちなんだ神社で祈願している 

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現在、多くの地域で人工衛星が開発され、近々各地でロケット射場が整備されつつある。

 

ネットで調べただけでも、2021年ではアクセルスペースが打上げた時、2018年にリーマンサット・プロジェクトのRSP-00が打ち上がる前に、東京都台東区ある飛不動尊に御祈願をされていたという画像や記事があります。

 

www.rymansat.com

各地の大学でも、近隣の神社にて成功祈願をしていることでしょう。

 

ただ今後人工衛星の打ち上げ数が増えるにつれて、御祈願の文化も少しずつ減っていく可能性があると思うと、なかなか寂しい気もしますね。 

 

人工衛星で何を祈願するのか

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そんな人工衛星の御祈願ですが、何に祈るのでしょうか。

 

第一は「成功祈願」ですね。

 

その次は「交通安全」

 

人工衛星の成功は、軌道上でのミッション成功であるのですが、その前に様々な交通場面での不意の事故が懸念されます。

 

  1. 輸送しロケット搭載までの交通安全。
  2. 軌道投入までにロケット搭載中での交通安全。 
  3. 軌道投入後のデブリは他の人工衛星接触しないための交通安全。

 

さらに、不具合が多ければ「厄除開運」ですかね。

  

ちなみに自分のプロジェクトで担当範囲で不具合が多発した時はそれなりに有名なところで(個人的に)厄払いをしました。

心持かもしれませんが、不具合多発の勢いは減った気がします。

 

これら四つが御祈願する内容になるのではないでしょうか。

 

 

御祈願でいただいたお神札は運用室に置かれていることが多いですね。

 

ミッション成功まで、達磨と共に、運用を見守ってもらう、そんな願いが込められているのかもしれません。

 

成功祈願のだるま

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お神札と一緒に達磨(だるま)もおかれていることが多いです。

達磨自体は東日本に多く、西日本ではほとんど見かけないため、見たことがない方もいるかもしれません。

 

達磨は白目のまま販売され、祈願のため左目に黒目を書き入れ、成就すると右にも黒目を入れる「目入れだるま」の風習があり、役目を終えただるまは、各地で正月に行われる「どんど焼き」の際、お焚き上げをします。

 

成就しなかった場合はそのまま次の機会に持ち越されるか、右目が白めのままお焚き上げされることもあります。

 

次回に持ち込ち越される場合は、成功祈願の念を蓄積されて、成功率が上がると考える場合もあるようですね。

 

終わりに

人工衛星開発はやり切ったとしても、不安が残る場合が多いです。

最後の祈りとして、神頼みをするのですが、人工衛星開発の際は、関係神社の中で近い場所をめぐるのも良いかもしれません。

 

もちろん、近隣の神社に引き続き見守ってもらうと考えるのも良いかもしれません。

信仰の自由なのですから。

 

今後、各地で人工衛星開発が活発になれば、人工衛星及びロケットに所縁のある神社が増えるかもしれませんね。

一つは和歌山県串本町での射場近郊ですが、あの辺りは神社も多いため、どこのスポットが当たるのでしょうかね。

 

参照文献

飛行神社

https://www.hikoujinjya.com/

二宮忠八について

http://www.city.yawatahama.ehime.jp/docs/2014082600018/

解説 飛行神社

https://www.rikou.ryukoku.ac.jp/images/journal65/RJ65-01.pdf

筑波山神社

https://www.tsukubasanjinja.jp/

宝満神社

https://www.kagojinjacho.or.jp/shrine-search/area-kumage/%E5%8D%97%E7%A8%AE%E5%AD%90%E7%94%BA/1136/

宝満神社 - 南種子町の神社 - ふるさと種子島

http://www.furusato-tanegashima.net/js/minamitanetyou/houman-shrine.html

大樹神社

https://hokkaidojinjacho.jp/%E5%A4%A7%E6%A8%B9%E7%A5%9E%E7%A4%BE/

新田稲荷神社の概要

https://tesshow.jp/kanagawa/sagamihara/shrine_kyowa_shinden.html

だるま-wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A0%E3%82%8B%E3%81%BE