人工衛星は何に役立てられているのだろうか?
人工衛星って何なのか?
今回は初心に立ち返り、改めて人工衛星について解説します。
目次
めっちゃ高いところにある人工物、それが人工衛星
人工衛星は空に浮かぶ雲よりも高く、無重力となる宇宙空間から地球に向かい合っている存在、人工物です。
そもそも衛星とは、地球といった惑星などが発生する引力という引っ張る力で運動している物質のことを言います。
地球では月、木星ではイオやガニメデ、火星ではフォボスなどが該当します。
これらは天体(object)と呼ばれ、衛星の中でも天然(の)衛星などと呼ばれます
その衛星の中で、人間が作ったものを人工衛星と呼びます。
衛星という言葉に厳密な区切りがないため、天然衛星も衛星と呼び、人工衛星も衛星と呼びます。
人工衛星は惑星の引力を使って運動しています。
惑星の引力が強い地表面では、十分な運動ができないため、数百キロメートル以上も地表から離れた場所にいる必要があります。
スカイツリー(634メートル)よりも富士山(3,776メートル)よりも高い位置にいます。
雲の高さ(2000~10,000メートル=2~10キロメートル)よりも高く
飛行機(旅客機)(1万メートル=10キロメートル)よりも高い位置になります。
宇宙空間と空の境目として100キロメートルといわれています。
これは大気(空気)がとてつもなく薄くなるのがその高さであるためです。
この100キロメートルでもまだ引力が強くて十分に運動できません。
さらに上の400キロメートルに国際宇宙ステーションと呼ばれる、アメリカ、ロシア、カナダ、日本、欧州宇宙機関(ESA)が軌道上に存在しています。
このあたりの高さで、ある程度の期間、軌道上で運動することができます。
ただ、400キロメートル辺りは、引力や大気の影響から何もしないと何年も軌道を維持できることができないため、地球に落下していきます。
2017年より運用されていた180~268キロメートルの超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS/スラッツ)がありますが、同様の超低高度の人工衛星は少ないです。
そんな高さに人工衛星はあります。
身近な人工衛星
気象衛星(ひまわり)、GPS(衛星)といった日常で使われる言葉にあるように、様々なところで衛星が使われています。
衛星放送も、人工衛星を使って電波を届けている仕組みを使っていることから、衛星の名前が使われています。
人工衛星が止まったらどうなるでしょうか?
気象衛星が止まってしまったら、長期的な天気予報の精度が落ちます。
地上にある装置である程度、予報することが可能ですが、地上から離れた大気の状態を知ることができなくなります。
日本では台風の観測が遅れますので、農作物や家畜などの農業に大きな被害を及ぼす可能性があります。
海外では山火事や火山観測などに使用されているため、より人的被害が大きくなることでしょう。
気象衛星以外にも地球を周回している地球観測衛星もあり、これが止まってしまうと自然災害の復興や被害状況の確認など、気象衛星ではできない小回りの利いた局所的な観測の対応が難しくなります。
GPS衛星(あるいは地理情報システムに関わる衛星)が止まってしまったら、カーナビゲーションシステムが使えなくなります。
運送、輸送に影響が長時間化してしまい、コストも上がることでしょう。
船舶の場合は、GPS衛星(あるいは地理情報システムに関わる衛星)を使用しているため、海外からものを持ってきたり、送り出したりする期間が確実に伸びます。
実は、GPS衛星の情報で時間情報が狂わないように直しているのですが、それができなくなります。
衛星放送が止まってしまったら、衛星放送といってもテレビのような情報だけではありません。国際電話も止まってしまうのです。
これにより、僻地離島からの情報が遅れることになります。
少ない医療設備の場合は、急病患者を助ける手段が少なくなったりします。
また海外の情報もすぐに手に入れることが難しくなります。
海外で不足しているものや、日本国内で不足しているものの情報も遅くなっていきます。
現在はインターネットサービスにより、日本国内ではそこまで深刻にならないかもしれないですが、テレビの衛星放送は見れなくなります。
ただ、インターネットの通信負荷が大きくなるので、世界的な障害が起きる可能性もあります。
情報世界の世の中では、様々な計画が大きく遅延になり、かなり大混乱が発生してしまうことでしょうね。
mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com
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参考資料
人工衛星で宇宙から地球を守る・利用する