リモートセンシングとビジネス/気象変動/犯罪
https://images.nasa.gov/details-iss025e008532
人工衛星のデータは、農業や林業、天気といった様々なことを使用されています。
人工衛星データの中で地球表面を観測装置を用いて、観測することをリモートセンシングと呼びます。リモートセンシングは人工衛星だけではなく、飛行機や気球などで観測することも言います。
リモートセンシングという表現は、そのうちに地球表面に限らず、惑星表面を観測する技術のことを指すことになるかもしれませんが。
リモートセンシングの用途は年々広がっています。
人工衛星のデータがどのように使われているか、知らない情報があれば幸いです。
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ビジネス
【010】 駐車場の車両数を検知して、小売り収益と市場シェアを予測する
投資の世界で有名なのは巨大な郊外店舗の駐車場の衛星データを使用し、駐車場での車両スペースを計測していることです。
日本でもディズニーランドの駐車場の車両から混雑を予想していたり、観光地の混雑状況などにも使用されています。
衛星データの収集を分析を行う企業によって、車両数から、店舗の収益やユーザーの流入、地域の集客数の情報を得ることができます。
これらの情報は、市場アナリストによって分析され、企業の戦略に生かされます。
【011】不動産購入時の俯瞰的な上空から眺め
家を購入あるいは借用する際に、周辺地域の様子や眺めを気にするかと思います。
また、周辺に学校や商店街、公園などがあるのか、潜在的に知りたがっている情報をリモートセンシングによって得ることができます。
不動産においてもリモートセンシングによって取得された画像が使われています。
土地の購入や住宅の借用におけるプロセスにおいて、不動産鑑定士や保険会社、貸し手は、素早く周辺地域の情報を得ることができます。
【012】長期的な漁業の改善
人工衛星の視点では、海にはたくさんの魚がいます。
人工衛星から取得した海面水温や海の色によって、特定の魚を監視することができます。
地元の漁師と情報を共有することによって、漁業にかかる時間と燃料を節約することができます。
また、海洋環境の観点から有害なアオコを観測することも可能で、全体的に産業の改善と水産資源のバランスを取ることも可能です。
【013】夜間の地域経済活動のマッピング
夜間での光の総量は、地域経済や電力、および居住者の収入を考察できる情報になります。
光の総量である放射輝度と国内総生産はよい相関性を示し、人間の幸福度とも比べられます。
夜間の経済活動のデータを得ることで、多くの知見を得ることは驚くべきことでもありました。
【014】アスペクトデータを使用したスキーリゾート計画
カナダやロシアなどの国では、領土が広く、年間のかなりの部分が氷点下にあります。
山岳地域はスキーリゾートに最適ですが、選択肢が多く、ユーザーを迷わせます。
そこで、スキーリゾートに適する場所を人工衛星のレーダー技術を用いて、アスペクトデータによって、山の斜面の方向、角度などを得ることでより良いプランを提供しようというものです。
気象変動
【015】樹木を特定し、その面積を集計して森林の供給量を推定
世界の森林供給量の情報を得ていることは、建設や紙、包装に使用される材料の管理だけではなく、二酸化炭素排出量の約3分の1程度吸収することにも役立ちます。
人工衛星の極軌道気象衛星NOAAのAVHRR(Advanced Very High Resolution Radiometer、改良型高分解能放射計)、地球観測衛星Terra/AquaのMODIS(Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer、中分解能撮像分光放射計)、地球観測衛星SPOTにより、世界の森林の減少量と増加量を定量的に観測しています。
【016】過去から現在までの気候要因の比較
NASAを始め多くの組織によって、毎月の様々な気候要因をマッピングして、時系列でどのように変化しているのか確認しています。
光学観測機器により、一酸化炭素、葉緑体、エアロゾル(空気中の微細な粒子)などのデータを取得しています。
人工衛星としては地球観測衛星TerraやAqua、TEMMに搭載されている観測装置MODIS(中分解能撮像分光放射計)、CERES(Clouds and the Earths Radiant Energy Systems Radiant Energy System、雲及び地球放射エネルギー観測装置)、AMSR-E(Advanced Microwave Scanning Radiometer-EOS、改良型高性能マイクロ波放射計)、MOPITT(Measurement of Pollution in the Troposphere、対流圏汚染観測装置 )が使用されています。
【017】海面上昇の測定
ヴェネツィアは毎年、数mmずつ沈下しています。
海面の測定は、費用対効果の高い例です。沿岸部の海面水位は常に変化しており、陸地も変動している上、数週間のデータを必要とします。
海面水位の測定は、衛星レーダーが導入されています。レーダー測定によって、隔週で世界中の海面水位を測定し変化の観測が可能となります。
【018】過去と現在の人間の影響を比較する
人工衛星による地球観測は1970年代から始まっています。
景観の変化を知りたい場合は、例えばLandsatの画像データを使用し、高度数百kmからみた過去の地球表面を得ることができます。
石油の流出、森林伐採、戦争、化学物質の流出、光学スモッグといった人的災害も観測することができます。
犯罪
【019】深夜のダイビング用のプール
全ての人工衛星による画像が、適切に使用されているわけではありません。
GoogleEarthの航空写真と衛星画像を使用してプールを探し、夜になると観測できる最大のプールに侵入します。
不法侵入ともいえる行為で、子供たちの前や家で試して真似させてはいけません。
【020】行方不明者の探索範囲を絞り込む
リモートセンシングは、行方不明者を見つけるために時間やコスト、及び人的資源を節約することも可能です。
刑事は事件が進む前に捜索範囲を絞り込みたいと考えています。
リモートセンシングにより、区画を細かく分け、検索場所を決め、地上の異常を検出させます。
異常の検出は、見つけたい犯罪現場からウサギの穴まであらゆる可能性が含まれています。
検索場所に対して、絞り込むだけの情報とアイディアがあれば、時間の節約も可能です。
【021】違法なボートの投棄を宇宙空間から監視下に置く
アメリカのサンタローザ市ですべての身分証明が消された状態でボートが不当放棄されたときに、刑事はGoogle Mapを検索しています。
時系列で記録されている航空写真と衛星画像を調べ、 ボートの所有者を探し出しました。
刑事によって見つけたのは、投棄されたボートの所有者と違法ダンプカーの住所を発見することができたといいます。
参考資料
リモートセンシングとは?
https://www.restec.or.jp/knowledge/
100 Earth Shattering Remote Sensing Applications & Uses(2020/12/27)
https://gisgeography.com/remote-sensing-applications/
RSMerics
いつ空いてるの!? 無料衛星データでディズニーランドの混雑予想チャレンジ
Mapping regional economic activity from night-time light satellite imagery
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0921800905001254
NASA Global Maps
https://earthobservatory.nasa.gov/global-maps
Aqua/AMSR-Eの形状や搭載パーツについて
https://www.satnavi.jaxa.jp/project/aqua/
海面の高さはどうやって測るのか?複雑怪奇な「海抜」の謎
https://logmi.jp/business/articles/322502
Human activities are changing the face of the earth
http://storymaps.esri.com/stories/LandsatCompare/