Did you know that lithium-ion batteries can be used to store energy from renewable sources?
「皆さんはリチウムイオン電池を使用することで、再生可能エネルギーを貯蔵できることは知っていますか? 」これは、ノーベル賞財団の公式サイトに紹介されていた一文です。
2019年のノーベル化学賞がリチウムイオン電池の開発に決定したことが書かれています。
再生可能エネルギーという太陽光発電と風力発電のエネルギーを蓄電、貯蔵できる技術であることが評価された受賞ということになります。
The Nobel Prize in Chemistry 2019 rewards the development of the lithium-ion battery. This lightweight, rechargeable and powerful battery is now used in everything from mobile phones to laptops and electric vehicles. It can also store significant amounts of energy from solar and wind power, making possible a fossil fuel-free society.
https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/2019/prize-announcement/
これを機に一度、ノーベル賞財団の公式サイトを覗いてみてはいかがでしょうか。
このブログを立ち上げてよいタイミングですので、宇宙機に使われているリチウムイオン電池について少しだけ書いていこうかと思います。
参考
https://www.nobelprize.org/https://blog.miraikan.jst.go.jp/event/2019092510-2.html
早速、横道に逸れるブログ記事
2019年にノーベル化学賞を受賞した3名の現時点での所属組織での紹介文も併せて掲載しておきます。
- John B. Goodenough:The University of Texas at Austin, USA
- M. Stanley Whittingham:Binghamton University, State University of New York, USA
- Akira Yoshino:Asahi Kasei Corporation, Tokyo, Japan / Meijo University, Nagoya, Japan
受賞した3名以外に、Goodenoughさんの研究にともに携わった東芝の研究者であった水島公一さんや、製品開発まで漕ぎつけ、同分野にてチャールズ・スターク・ドレイパー賞を受賞しているソニーの研究者であった西美緒さんも、現在まで広がったリチウムイオン二次電池市場に貢献していることを記しておきます。
日本の記事ですと、だいたい日本人受賞者にフォーカスが集中しすぎているので、せっかくなので各所属団体の特集ページを記載しておきます。
日本の記事だけ読むのはちょっともったいないですよね。
旭化成 吉野彰特集
https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/yoshino/
宇宙でのリチウムイオン二次電池
さて、横道に逸れましたが、宇宙でのリチウムイオン二次電池について紹介していきます。
宇宙において電池の重要性はとりあえず置いておくとして、リチウムイオン蓄電池が実用化されるまで使用されていた二次電池は、ニッカドと呼ばれるNiCd(ニッケルカドニウム)電池やニッケルメタハイと呼ばれるNiMH(ニッケル水素)電池でした。
工業製品になじみのない人は、電池といえばアルカリ乾電池やマンガン乾電池という世界、まだ高いリチウムイオン乾電池もたまに聞くという人も多いのではないだろうか。
蓄電池あるいは二次電池といえば鉛蓄電池というのもまだまだ現役であるから、今後これらの違いについても書く機会があればと思います。
さて、リチウムイオン電池が商品化されたのが1991年で、ソニー・エナジー・テック社で販売されています。
その後、2000年にDefence Evaluation and Research Agency:DERA(英国の政府機関,2001年解散)で開発された宇宙技術研究用小型衛星であるSTRV-1CとSTRV-1Dに搭載された電源(ソニー製の一般向け電池をもとにした電池)に使用されました。
日本では2003年に打ち上げられたJAXA(NASAの日本版)の小型惑星探査機である人工衛星「はやぶさ」に大容量リチウムイオン電池(古河電池社製)が世界で初めて搭載されました。
近年では、2016年に打ち上げられた輸送機によって国際宇宙ステーションに届けられ、次期電源(GS・ユアサ・テクノロジー(GYT)社製)として順次、古い電池との入れ替わりも行われており、リチウムイオン電池は世界の宇宙機でも一般に使われるようになっています。
リチウムイオン電池は日本の衛星だけでも次の人工衛星に搭載されています。
- はやぶさ2 (古河電池社製)
- Planet-C(あかつき) (古河電池社製)
- SERVIS-2 (GST社製)
- Thaicom-4 (GST社製)
- H-ⅡA (GST社製)
- HTV (GST社製)
- QZSS (GST社製)
- ASTRO-H(ひとみ) (GST社製)
- ALOS-2(だいち2号機)(GST社製)
- NEXTER (パナソニック社製)
- Ⅺ-Ⅳ(大学人工衛星) (パナソニック社製)
- Ⅺ-Ⅴ(大学人工衛星) (パナソニック社製)
- KKS-1(高専人工衛星) (パナソニック社製)
- TRICOM-1(大学人工衛星) (パナソニック社製)
- ぎんれい(大学小型人工衛星) (パナソニック社製)
- ほどよし3号 (関西大学、第一工業製薬、エレクセル社製,パナソニック社製?)
- しんえん2(大学人工衛星) (パナソニック社製)
- ITF-2(大学人工衛星) (パナソニック社製)
- SS-520 (アイ・エレクトロライト社製)
次回は、リチウムイオン電池の種類についてちょっと書いていければと思います。
参考
STRV-1
https://directory.eoportal.org/web/eoportal/satellite-missions/s/strv-1
https://www.furukawadenchi.co.jp/research/tech/pdf/fbtn60/fbtn60_204.pdf
人工衛星・探査機の元気の源 -宇宙の電源技術
https://www.usss.kyoto-u.ac.jp/etc/symp6/toyota.pd
GSユアサの国際宇宙ステーション用リチウムイオン電池の第 3 回打ち上げが決定
https://www.gs-yuasa.com/gyt/jp/nr_pdf/20190910.pdf
Study on Large -Capacity Lithium Capacity Lithium-Ion Cells Ion Cells Simulated Spacecraft Simulated Spacecraft’s Operation at JAXA
https://www.nasa.gov/sites/default/files/atoms/files/06_study_lg_cap_li-ion_jaxa_hnaito.pdf
Development of Lithium Ion Power System for Satelite
https://www.myiem.org.my/assets/download/Feature-Lithium.pdf