前回(人工衛星の展開機構の方式には何があるだろうか)の概略
前回の続きから、展開機構についてと、人工衛星の展開集をYOUTUBEから取り出しました。
mechanical-systems-sharing-ph.hatenablog.com
形状記憶合金と電圧で動くもの
展開機構の中には、電流をかけることで金属が動く。
ほんのり書くと、電流をかけることで発生した熱エネルギーにより金属の構造配列が変わり、収縮と展開を起こす。
これを内部のボーリングやスプリングと組みわせることで、固定箇所を開放する機構である。多分。
スプリングの力により、展開時間を調整したり、電流もおそらくニクロム線のように過熱し続けるような回路にすることもない便利な仕組みとなっている。
おそらくだが、固定力は大型衛星のパネルに使えるほどではないが、小型衛星レベルであれば十分使用可能な固定力である。
もちろん、熱エネルギーにより動作をするため周囲温度は気を付ける必要がある。というか、そもそもどこで売っているねんって感じではある。
というのも、YOUTUBEの中でそんな機構を使っていたここで紹介する。
参考
https://www.nins.jp/uploaded/attachment/1692.pdf
分離放出機構を利用した展開
人工衛星の中には分離機構を利用して、展開する展開物もある。
簡単にいうとCubeSatといわれる、10~30㎝級の人工衛星に使用されることが多い。
ロケットにCubeSatを搭載した箱を取り付け、宇宙空間に放出する方式を取る。
さらにロケット以外にも国際宇宙ステーションから放出することも可能である。
その蓋や前後の衛星との接触で人工衛星に搭載されているスプリングを抑える。
放出されることで、抑えが外れ展開されるのだ。
欠点としては、分離機構に接触したり、引っかかったりして、軌道が大きくずれてしまうことと、ほかの人工衛星にも影響を与える可能性があるのだ。
参考
https://directory.eoportal.org/web/eoportal/satellite-missions/c-missions/cubesat-concept
YOUTUBEの中にある人工衛星の展開機構
色々見つけたので紹介する。再生回数が少ないんだよね。
ポイントとしてはESAの展開機構の試験で、展開中に吊り下げているものは重力キャンセルも兼ねている。
普通に展開すると展開機構に自重がかかり、余計なダメージを与えてしまう可能性があるのだ。それを防ぐために、無重力再現のために重力キャンセルを行っているのだ。
展開時の重力補償方法についてはこちら
JAXA Repository / AIREX: 小型 SAR 衛星搭載アンテナの重力補償方法の改良
JAXA Repository / AIREX: 小型合成開口レーダ衛星搭載アンテナの展開再現性評価