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人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

人工衛星の衛星画像では何が見えるのか?どんな指標で良し悪しを判断しているのか?【衛星の画像分析】

人工衛星の製品仕様分解能/解像度について

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アメリカの偵察衛星を管理しているのはNational Reconnaisance Office(NRO)という組織で、Keyhole(KH)と呼ばれているようです。

 

さらにはプロジェクト名/コードネームで呼ばれることがありCorona(コロナ)という名称だったそうです。

 

最新の偵察衛星はKH-12で、Ikon(?)やImproved Crystal)というコードネームで呼ばれているそうです。

直径4.04mのミラーで解像度も10cm程度と言われています。

 

この解像度10cm程度とはどのくらいなのでしょうか。

 

人工衛星では分解能/解像度という性能がいわれます。

何cmや何mといった形で示され、画像に映る鮮明さを示しており、分解能/解像度の値がそのまま、何cmや何m見えると表現されることも少なくありません。

 

解像度は何cmを識別できる境界を検出できるというものです。

 

ただ、検出=見えるとは違うのです。

 

見えるとは認識できるということ、考えられるということです。

認識という考えまでいくと美術品に近いものと考えることができるかもしれません。

 

単に映すぐらいであれば美術品と変わりありません。

 

偵察衛星に使われている画像はそこで止まりません。

画像データの分析が必要となります。

 

観測画像で見えるものとは、画像データで分析した結果で何が見えるのかということです。衛星画像であろうとも、視覚トリックに騙されることもあります。

 

結局のところ、映した画像を見なければ、解像度では何が見えるか分からない、各画像の結果でしか分からないというオチです。

 

マジか?

 

マジです。

 

 

そんな中で定量的な指標も一応存在しています。

 

 National Imagery Interpretability Rating Scale (NIIRS)というもので、航空撮影で使用されていた指標です。

 

現在も様々な組織や個人により画像が分析されており、指標が研究されています。

そのうちに規格化されることを願いますが、それまでは当分NIIRSが使用されることでしょう。

 

まあ、日本ではほとんど見たことないですけど。

広まる前に別の指標になりそうですね。

 

 

NIIRSによると、解像度10cmは次のような区分になります。

 

NIIRS 8 [10-20 cm GRD]:アンテナやウィンチケーブルの検出、戦闘機のリベットや溶接部位、車両のワイパーを認識します。

NIIRS 9 [10 cm GRD未満]:トラックの車両登録番号(ナンバープレート)、ミサイルのネジとボルト、ロープの編み方(直径3~8cm)を認識します。

 

 

本当か? というレベルですが、指標ではこのレベルになります。

 

 

 

ここで出てきているNational Imagery Interpretability Rating Scale(NIIRS)は、航空画像に対しての画像の解釈可能な評価指標として一部で使用されています。

今回は、人工衛星の光学画像に対する指標がないため、今回は航空画像の指標を流用しました。

 

 

ちなみに飛行機/小型機を使用した航空写真・航空画像は、解像度30cmぐらいの性能だそうです。

 

小型機の場合は撮影の時にエンジンやヘリコプターの羽の振動等でブレたりします。

 

人工衛星の画像の場合は大気の影響で歪んだりするかもしれません。合成開口レーダの場合はその影響も少ない、かもしれません。

 

KHでは望遠鏡レベルのレンズを地上に向けているため、10cmとかいうレベルの性能を出しているのだと思います。

 

よくカメラで使用される望遠レンズがついているイメージですね。

 

日本で作れるのかといわれると、作れる可能性はあります。

ただし、KH-11に近いといわれるハッブル宇宙望遠鏡の高さは13.1m、重さは11,000kgに及びます。

外国産のロケットで打ち上げるわけにはいかないので、HⅡBロケットで打ち上げることになると思いますが。

中低軌道の800~900km程度を狙うとしても、、、いけるのか、厳しいのか微妙なラインですね。

参考資料

National Reconnaissance Office – Wikipedia

EO Sensor Planning for UAV Engineering Reconnaissance Based on NIIRS and GIQE

https://www.hindawi.com/journals/mpe/2018/6837014/

National Geospatial-Intelligence Agency (NGA) General Image Quality Equation (GIQE)

https://gwg.nga.mil/ntb/baseline/docs/GIQE-5_for_Public_Release.pdf

 

NIIRS - Wikipedia

IMINT 101 Introduction to Imagery Intelligence

https://www.globalsecurity.org/intell/library/imint/imint_101.htm

解像度(物を見分ける能力)

 

https://www.eorc.jaxa.jp/rs_knowledge/mecha_resolution.html

人工衛星の防災活用について

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/saigaijyouhouhub/dai5kai/pdf/shiryo5.pdf

人工衛星画像解析による現地調査

https://www.town.chikujo.fukuoka.jp/s021/020/040/010/chosa.pdf

衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~

https://sorabatake.jp/279/#04

人工衛星による地球画像の解析について | Vol.2 | バックナンバー | アキューム

人工衛星が同一地点を見続けられる時間の計算

https://www.wingfield.gr.jp/archives/9140

人工衛星から人は見える?~衛星別、地上分解能・地方時まとめ~ 

https://sorabatake.jp/441/

情報収集衛星の打ち上げ成功 約30センチの高解像度、北朝鮮の監視強化へ (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)