人工衛星って何?
人工衛星って何なのか、業界外に説明することは意外と多いですね。
宇宙業界に勤めていると、あるいは別の業界に移っても、人工衛星って何なのか聞かれることは多い。
自分が説明するときに使うのは、気象衛星ひまわりを最初に出します。
気象衛星(ひまわり)は、カメラやアンテナを積んで日々の天気予報を観測したり、衛星放送として電波を飛ばしたりしていて、結構身近にある存在なんですね。
最近ではGPS衛星を飛ばして、自分の位置を確認することにも役立っていますってね。
言われると、日々の生活に人工衛星が使われていて、気づかず、世界のインフラを支えているのが人工衛星です。
先に上げた、気象衛星やGPS衛星は数メートルの大きさですけど。
小さいもので10cmぐらいのもあります。
最近有名なはやぶさやはやぶさ2は、2メートルほど(正確には1.0 m×1.6 m×1.25m)で、意外と小さいんですよ。
この辺をサラッと言えれば第一段階は成功ですね。
熱構造系としては、衛星に積まれている機器を守る設計をしていたって感じですかね。
ロケットを打ち上げるときの振動。
そして、打ち上げた後に地球上を回るため1日に14~15回の急激な温度サイクルにさらされること。
衛星内部はだいたいー10度ぐらいから60度ぐらい。
衛星の外壁になると、-150度ぐらいから120度近くになります。
それらの環境から守る設計をしていました、ってね。
ここまででワンセンテンスですかね。
参考
http://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/pdf/04/sat33.pdf
http://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/pdf/04/sat33.pdf
http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2010/back278.shtml
宇宙では、どの位温度が高温になったり低温になったりするのですか? | ファン!ファン!JAXA!
人工衛星ってどんなもの?
少しひねった質問をする人だと、人工衛星って、(身近なものに)例えるとどんなものですかと聞いてくるのです。
よく言われるのが、宇宙空間を飛んでいるスマホでですね。
通信ができ、自分の位置を調べることができ、小さいコンピュータが搭載され、加速度センサがあり、電池も積んでいて、固いボディに包まれて、数億円するスマホですね。
あとはドローン。まあ、ドローンはそのまますぎですが分かりやすくはありますね。
答える側もひねると、全自動自動車ですね。
ラジオやテレビの電波を受信でき、
カーナビで自分の位置を調べることができ、
自信を制御するコンピュータや自動で停止する加速度センサが搭載されていたり、
バッテリも積まれている。
人を守るボディで包まている数億円する自動車ですね。
フェラーリが数十億円だとすると、手軽な世界になったものですね。
ただ、自動車のように一人で運転したり、メンテナンスすることは決してできませんけど。
ただ政府衛星やそれに近いスペックだと数百億クラスなので、企業から目的に特化した人工衛星になるんですけどね。
ちなみに、スマートフォンは人工衛星化してすでに打ち上げられています。
参考
スマホで作る人工衛星:「PhoneSat」by NASA|WIRED.jp
人工衛星は売れるのか?
人工衛星が一人で運用・操作できるようになったら、それこそ個人の嗜好品として売れるのかな。
今のところ、運用だけを考えると人工衛星は一人で操作することは不可能ではありません。
ただ、打上げ後の初期起動とか、トラブルが発生した時の対応、細かいメンテナンスが必要なので、個人で操作したくなる嗜好品としては難しいですね。
無意味に打上げては、ゴミを打上げているといわれるとか批判を浴びることはよくよくありますね。
それに個人で人工衛星を購入しても、双眼鏡を使っても詳細に見えないので、宣伝用の看板にもならない。
嗜好品としては難しいですけど、個人で持つことで、自分だけの個人情報を取得、管理するシステムの一端を作ることができるかもしれません。
まだまだ先の時代になりそうですが。
単に人工衛星のデータを利用するだけなら、今の時代、既存のサービスを受けたほうが安く済みます。
人工衛星を購入する必要はないのでまだまだ先の時代かもしれません。
ただ、今は社会に浸透するための土台を作っていると考えておいた方がいいですね。
何年後に爆発的な評判になる可能性はありますね。
衛星ってどんなものか、今後、いろいろな表現が浮かんでくると思いますので、引き続き見直して記事を書いていこうかと思います。