人工衛星とミサイル(ロケット)の関係
人工衛星が軌道上まで上がるにロケットが必要です。
ロケットは、火薬の代わりに人工衛星を積んだものがロケットです。
ミサイルとロケットは外見から見ても判断するには、エンジンとか燃料タンクを見て判断することはできるかもしれませんが、偽装してしまえば判断に困ってしまうことでしょう。
1998年から何回か北朝鮮が人工衛星をロケットで打ち上げたと発表しています。
外見上からはロケットともミサイルとも判断がつかないので、ある人は断定的に、ある人は本当に人工衛星を打ち上げたと、世間では騒ぎになりました。
それくらい似ているものですね。
でも、人工衛星を打ち上げるミサイルは、明確に違うものがあります。
より強力なエンジン、より多くの燃料を積んで、精密な姿勢コントロールを必要として、重量をそぎ落として制限していく必要があります。
より強力なエンジン、より多くの燃料をを積むのは、地球の重力から脱出するため
より精密な姿勢コントロールをするのは、希望の地球の周りの軌道にとどけるため
重量を削ぎ落し制限するのは、搭載する人工衛星の搭載領域(ペイロード)があり質量による重心の差により姿勢コントロール、ひいては推進力の調整が必要になります。
一方のミサイルは、多少制御が悪くても、その分、爆薬を積めばいいのです。爆発範囲で制御の粗をカバーすればよかったのだから。
逆に考えると、ロケットは人工衛星数トンレベルの爆薬を搭載して、ポイントを絞った標的に向かう技術力があるってことですね。
ロケットから人工衛星を分離する
人工衛星を宇宙空間に送り届けるには、国際宇宙ステーション:ISS(1998年–2011年打上げ)から送り届ける場合もありますが、たいていはロケットです。
打上げる際には、時速28,440km(秒速7.9km)で飛ばし、強い振動を与えられながら想定の軌道まで到達すると、人工衛星はロケットから分離します。
分離するには人工衛星とロケットとの結合部を切り離す必要があります。
分離のタイミングはロケット側の信号を受けて機構が発動して切り離されていきます。
切り離すときは、ラッチ機構で分離したり、火薬でロケットとの締結部を切断したり、ばねの力を利用して軌道に押し出します。
もちろん、それ以外にも多くの方法で人工衛星が送り出されていきます。
ロケット側は衛星を打ち上げた後、それも主衛星が打ち上がった後、人工衛星にぶつからない様に軌道制御をおこなう場合もあります。
打ち上がってから衛星はどうなるのか
人工衛星がロケットで打ち上がると、熱構造設計としてのメインイベントがはじまります。
ロケットの打ち上げ振動、分離時に人工衛星の重心と慣性能率(慣性モーメント: moment of inertia)、宇宙空間にされされたことによる熱バランス、太陽電池パネルの展開機構、ミッション機器や通信機器の駆動機構の確認など、盛りだくさんなのです。
ただ、熱構造系の出番のほとんど数日あるいは初期起動段階の数か月で終わってしまうんですね。
打ち上がってからの運用の一例はまたブログが続いていけば書いていきたいと思います。