地球周回衛星の周回数とは、地球周回衛星は1日に地球を何周も回っており、1日に何周回っているかを示したものです。
地球周回衛星の多くは地球観測衛星であることが多く、日本の組織が保有している衛星では、JAXAのALOS-2、ALOS、アクセルスペースのGRUS、synspectiveのStriX-1、キヤノン電子のCE-SAT、ソニーが打上げ予定のSTAR SPHEREが該当し、いずれも地球観測衛星です。
アメリカのSpaceXの通信衛星であるStarlinkも地球周回衛星になります。
周回数
周回数(N)は、地球の軌道周期24時間(=86400sec)に対し人工衛星が地球を1周するのに要する時間(T)からから求められます。
N=86400/T
周回数を計算すると、端数となることがあります。というか、ほとんどがその場合となります。
周回数で算出した端数分は、周回数が地球を1周する時間なので緯度の位置は同じになりますが、経度がずれていくというイメージです。
また、周回数が整数値になった日数がいわゆる回帰日数となります。
回帰日数
回帰日数(M)は、地球上のある地域を再度観測するには何日かかるかの日数となります。Lは整数として、次の条件で求められます。
L=M×N
地球周回衛星の観測の特徴
地球周回衛星は、地球のほぼ全球を観測するために、太陽同期準回帰軌道であることが多いです。
地球周回衛星における軌道の違いの特徴の一つとして、回帰日数が変わります。
太陽同期準回帰軌道は、数十日で同じ位置を観測することができます。
太陽同期回帰軌道は、1日で同じ位置を観測することができます。
赤道軌道は、1日で何度も同じ位置を観測することができます。
あまり意識していないかもしれませんが、災害が発生した際の次のような特徴があります。
・1時間半前後の写真が連続して取得されている。
・1日後の写真が少し位置がずれている。
これは人工衛星の周回数と回帰日数の違いによって発生します。
ただし、1時間半前後の写真を取得していたとしても、人工衛星の観測範囲により元の位置から大きくずれてしまします。
同じ位置を観測するには、観測幅の広い観測装置を利用するか、観測装置が駆動式であったり、人工衛星自体の指向を動かして同じ位置を観測する、軌道制御装置を利用して移動するという方法があります。
ただし、これには小型衛星レベルだと難しい問題があります。
それぞれ、観測装置に駆動装置を取り付ける、指向性を動かせるだけの指向性誤可能な装置を取り付ける、軌道制御装置を取り付けるといった方法が取られます。
しかし、小型衛星ではそれらの装置を取り付けるスペースと電力、駆動する際に発生する振動を相殺させることが難しくなります。
これらに対しては、小型衛星の短納期、小コストという利点をとって衛星コンステレーションとすることで解決するのがここ数年の業界の動きとなります。
大型衛星では装置を搭載できれば対応可能なのですが、装置を搭載する分、スペースや電力、駆動の際の振動に影響され、観測装置そのものに制限が発生する可能性があります。
もちろん使用される電力が増大することから、バッテリーの配置や数量、放熱設計による観測装置への影響なども考慮しなければならず、開発期間に影響が発生してしまいます。
この開発期間の長期化と、一品物の開発中の不具合によるプロジェクト全体の影響をから、小型衛星が主流となっている要因の一つとも言えます。
参考
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