往時宇宙飛翔物体 システム機械設計屋の彼是

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人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

DXは整理から始まる!業務の見える化はフォルダから!属人化を防ぐフォルダ整理ルール

はじめに:DXの前にやるべきこと

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が広まり、AIやRPA、クラウドツールの導入が進む一方で、現場では「どこに何があるか分からない」「あの人しか知らない」といった情報の属人化が根強く残っています。

本記事では、フォルダ管理とドキュメント整備による脱属人化の技術的アプローチを中心に、DXの基盤としての情報整理の重要性を具体的に解説します。

 

1. 探し物にかかる時間を減らす

NTT東日本の調査によると、フォルダ管理の改善により年間20時間の業務時間削減が可能とされています。これは、1日5分の探し物時間を短縮できた場合、年間(245営業日)で約20時間の効率化につながるという試算です。

参考: https://business.ntt-east.co.jp/service/coworkstorage/column/folderkanri/index.html

このような「探す時間」は、事務職でも技術職でも日常的に発生します。特に以下のような場面で顕著です:

  • 過去の報告書を探す

  • 顧客対応履歴を確認する

  • 設計図や仕様書の最新版を見つける

これらの時間を削減するには、フォルダ構成の見直しと命名ルールの統一が不可欠です。

 

2. 属人化を防ぐ整理の技術

属人化とは、特定の人しか業務の内容や資料の所在を把握していない状態です。これを防ぐためには、誰でも理解できるルールで情報を整理する技術的アプローチが必要です。

命名ルールの統一

すべての参考記事が命名規則の重要性を強調しています。以下のような具体的なルールが有効です:

  • 連番+略称+日付

    • 例:「01_経理_202511」など。誰が見ても内容と時期が一目で分かる。

  • 部署名・プロジェクト名の先頭付与

    • 組織横断での検索性を高める。

  • ファイル名テンプレートの導入

    • メンバーの裁量に任せず、統一された命名ルールを定める。 

  • 新旧対応表の作成

    • ファイル移行時に旧ファイル名と新ファイル名の対応を明示。

フォルダ階層の最適化

階層構造は深すぎても浅すぎても混乱を招きます。以下のような設計が推奨されています:

  • 最大3階層で管理

    • クリック数を3回以内に抑えることで、探し物時間を短縮。

  • 階層の命名ルールと役割の明確化

    • 第1階層=部署、第2階層=業務種別、第3階層=年度・月など。 

  • フォルダの重複・冗長回避

    • 同一内容のフォルダが複数存在しないよう、命名と構造を連動。

  • Excelで構成図を作成

    • 移行期の混乱を防ぐため、旧構造とのマッピングを明示。

アクセス権と保管ルール

属人化を防ぐには、情報の「誰が見られるか」「いつまで保管するか」を明確にする必要があります。

  • アクセス権限の定義と棚卸

    •  編集・閲覧権限を役職や業務単位で設定。

  • 保管期限と削除ルールの自動化

    • 「○年経過後にアーカイブ→削除」などのルールを設定。

  • バックアップの保存場所と頻度の明示 

    • クラウドとローカルの二重バックアップを推奨。

  • オンラインストレージの活用

    • クラウド上での一元管理により、物理的な属人性を排除。

3. DXとつながる情報整理

情報整理は、単なる業務効率化ではなく、DXの基盤として機能します。

業務の見える化

情報が整理されていれば、業務の流れが可視化され、自動化やAI導入の前提条件が整います。

ナレッジの再利用

整備されたドキュメントは、FAQの自動応答や手順書の自動生成に活用可能です。『RPAツールとの連携により、定型業務の自動化率を最大40%向上させる事例もある』とされています。

組織のレジリエンス強化

「バス係数(Bus Factor)」とは、特定の人にしか分からない業務がどれだけあるかを示す指標です。情報整理により、この係数を下げることが可能です。

クラウドツールとの連携

Google Workspace、Microsoft 365、Notion、Slackなどのツールは、命名規則と階層構成が整っていることで検索性が向上します。

データ活用の土台づくり

整理されたドキュメントは、構造化データとしてBIツールやAI分析に活用可能です。

おわりに:整理はDXの第一歩

フォルダ管理やドキュメント整備は、単なる「片付け」ではありません。

これは、業務の見える化・標準化・再利用性の向上を通じて、DXの土台を築く重要なステップです。

属人化を防ぎ、誰でも使える情報環境を整えることで、AIやRPA、クラウドツールの導入効果を最大化できます。

そして何より、現場のストレスを減らし、「探す時間」から「使う時間」へと業務を転換することが可能になります。

 

参考資料・参考サイト一覧