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人工衛星の設計・製造・管理をしていた宇宙のシステム・機械設計者が人工衛星の機械システムや宇宙ブログ的なこと、そして、横道に反れたことを覚え書き程度に残していく設計技術者や管理者、営業向けブログ

リモートセンシングと災害/エコロジー

リモートセンシングと災害/エコロジー

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Credits: NASA

https://images.nasa.gov/details-GSFC_20171208_Archive_e000220

 

 

人工衛星のデータは、農業や林業、天気といった様々なことを使用されています。

 

人工衛星データの中で地球表面を観測装置を用いて、観測することをリモートセンシングと呼びます。リモートセンシング人工衛星だけではなく、飛行機や気球などで観測することも言います。

 

リモートセンシングという表現は、そのうちに地球表面に限らず、惑星表面を観測する技術のことを指すことになるかもしれませんが。

 

リモートセンシングの用途は年々広がっています。

人工衛星のデータがどのように使われているか、知らない情報があれば幸いです。

 

  

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災害

【022】活火山の監視

火山は、マントルからマグマが地表面に達した時に形成されます。

地球上では600以上の活火山があります。

通常、火山にはアクセスできないことが多く、火山活動を調査するために、温度情報を取得できる熱赤外及び中赤外線が使用されています。

 

【023】干渉法による潜在的な地滑り

アメリカでは毎年地滑りによる人命が失われており、数十億ドルの損害を引き起こしています。

潜在的な地すべりの発生を検知する最初のステップとしては、ステレオ画像(立体画)と光学画像を使用することです。

斜面の不安定性の引き金は、地震、侵食、排水不良などの原因となる可能性があります。

地すべりは、年間に数cm~数10cmと動きが緩慢なので、地上分解能は1cmより良い必要がありました。

地すべり監視システムを実現するには、1mm未満の分解能を要求されます。

GPSの精度も干渉測位で1cm程度の分解能である。

モデルを作ることで再現するか、航空写真により再現する必要があります。

 

【024】地震後の被害の定量

地震により壊滅的被害が起きた時に、被害状況を知るには難しい場合があります。

地震の被害状況を知ることは、救助隊にとって必要不可欠となり、迅速で正確に行われる必要があります。

地震前後での変化を検出し、画像を分類していくことは、損害を評価するために迅速な方法となります。

災害評価において、建物や地表モデルによる日陰も判断材料となります。

 

【025】石油及び天然ガスに対して干渉法を用いて地形の安定性を評価

アクティブセンサーは、位相差を使用して、干渉法を使用して地形の変化を測定します。

油田及びガスセクターなどの業界では、地形の安定性を監視し、安全基準を向上させています。

時間経過とともに、継続的に人工衛星データの取得は高い安全性を意味し、パイプライン(石油や天然ガスなどを運ぶために設置される管路)の監視をします。

 

【026】自然災害の対応と回復のためのリスク評価

近年、災害の数は明らかに増加傾向にあります。

災害の被害の緩和だけでなく、発生時の対応とその後の回復・復興を実行するためにリモートセンシングデータは使用されます。

自然災害(ハザード)状況における時間的地球観測データとGIS(Geographic Information System、地理情報システム)の統合は、災害対策における主要なツールとなります。

ハザードの状況から、被害状況の評価と人員支援を決定します。

 

エコロジー

【027】持続可能な個体数レベルを確保するためにホッキョクグマを数える

ホッキョクグマ地球温暖化のために絶滅する最初の動物としてリストにあります。

生態学者は、生き残っているホッキョクグマの個体数を調査するための主要な情報源として衛星画像に注目しています。

時系列情報を使用し、ホッキョクグマと大きな白い岩の違いを調査しています。

同様に、南極のアーリーペンギンやコウテイペンギンのコロニーを衛星画像から発見し、監視しています。

 

【028】保護地域におけるパンダの生息地の解明

ジャイアントパンダは食事の99%で竹を食べ、動物界で究極の竹好きです。

パンダにとって生息地は重要です。

地震や道路建築、地球温暖化、違法伐採により生息域が細分化されてしまっています。

絶滅の危機に瀕しているジャイアントパンダを保護するために、継続的に監視していく必要があります。

 

【029】渡り鳥を追跡し、鳥の病原体保有状況を調査

鳥は、食べ物、気候、繁殖によって長距離を移動します。

軽量のGPSは、鳥がどこに移動するかを知るために使用されているにすぎません。

森林が減少することで、鳥の移動パターンが変更することは、野生生物管理において重要な要素となります。

リモートセンシングは、森林の階層構造(森林の階層構造は一般に地表面、草本層、低木層、亜高木層、高木層に区分される植生の階層)や生物季節学などの森林特性を調査できます。

鳥の生息域の適合性モデルは、これらの森林特性を使用して病原体の保有状況を追跡しています。

 

【030】最小コストの分類と植生を使用したヌーの移動を解明

タンザニアでは、地球上で最大の動物の移動が見られます。

一ヶ月の間に、200万頭以上のヌーが移動して出産します。

移住の目的は、食料を見つけることです。

研究によると正規化植生や標高(傾斜)、降雨情報でヌーの移動パターンを推定することを研究しています。

 

【031】生息地適合性モデルを使用して蚊の数を予測

生息地適合性モデルは、蚊の数について興味深い予測を行っています。

蚊の生息域状況と土地被覆状況、地形の特徴、気象観測データを使用して、広域の蚊の生息地状況を推定します。

蚊の生息域を知ることで、病気を運ぶ病原体へのリスクを低減させることでできます。

 
参考資料

リモートセンシングとは?

https://www.restec.or.jp/knowledge/

100 Earth Shattering Remote Sensing Applications & Uses(2020/12/27)

https://gisgeography.com/remote-sensing-applications/

 

 火山噴火予知調査に用いる熱赤外放射温度計

https://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/tbh02/tbh02-07.pdf

大涌谷における熱赤外カメラによる連続観測とその特徴

https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/PDF/houkoku/50/houkoku50_p53-59.pdf

 

リモートセンシングによる地すべりЖ析

http://www.infra.kochi-tech.ac.jp/takagi/other/Landslide0307.pdf

地すべり調査におけるリモートセンシングの活用に関する研究

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejg/66/3/66_3_85/_pdf

衛星画像 (ASTER) を用いてパキスタン地震による大規模地すべりを観測

https://www.gsj.jp/hazards/landslide/pakistan051008.html

 

「石油資源を遠隔検知するための衛星利用技術の研究(旧石油資源遠隔検知技術の研究開発)プロジェクト評価試料 平成30年10月15日

https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000H30/181015_space_1st/space_1st_7-2.pdf

石油・天然ガスの探鉱・開発分野でのSARデータ活用と、ALOS-2への期待

https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/conf/workshop/alos2_ws3/ALOS2_4_1_Namikawa_Takatoshi.pdf

 

ホッキョクグマの個体数、今後35年で30%超減少の恐れ 研究

https://www.afpbb.com/articles/-/3110465

北極圏の海氷減少続く、ホッキョクグマ生息に不可欠 研究

https://www.afpbb.com/articles/-/3100981

NASAの衛星画像から個体数急減が懸念されていたペンギンが大群で住むペンギン島が発見される

https://gigazine.net/news/20180306-nasa-satellite-find-penguin-supercolony/

南極大陸コウテイペンギンの新たなコロニー 衛星画像で発見

https://www.cnn.co.jp/fringe/35157803.html

南極でペンギン150万羽を発見、衛星とAIを駆使

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/030600102/

野生動物の保護管理における衛星リモートセンシング技術の適用

https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/64/3/64_KJ00009702784/_pdf

中国のパンダ、個体数回復も生息地は縮小 局所的絶滅の恐れも 研究

https://www.afpbb.com/articles/-/3144310

Nature Ecology & Evolution:パンダはまだ危機を脱してはいない

https://www.natureasia.com/ja-jp/natecolevol/pr-highlights/12189

「 宇宙・UAV・IoT技術の連携によるマラリア対策支援サービスの開発 」の成果について

https://www.mext.go.jp/content/20200309-mxt_uchukai01-100000553_5.pdf

西ナイルウィルス拡散状況・パターンの解明で被害を最小化

https://www.esrij.com/industries/case-studies/49137/