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ラッセル・リンカーン・アコフのシステム思考【システムエンジニアリング】

システムエンジニアリングとはなにか?

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この質問に回答するのは、とても困難です。

 

ウィキペディアによると

Systems engineering is an interdisciplinary field of engineering and engineering management that focuses on how to design, integrate, and manage complex systems over their life cycles.

Systems engineering - Wikipedia

 「システムエンジニアリングは、大規模で複雑なシステムを開発及び設計、統合及び管理するための学術的なアプローチ」

しかしそれだけで表現するには困難です。

 

別の定義として次のように表現しているエンジニアもいます。

The systems engineer ensures that the product satisfies the customer.
and
The systems engineer examines the entire system and applies a little wisdom

Just Enough Systems Engineering

 「システムエンジニアは、顧客が製品に満足七得ることを確認します。

そして

システムエンジニアは、システム全体を見渡して、いくつかの知恵を適用します。」

 

この定義は一見当然のことと思われるかもしれません。

しかし、現実は難しいという事実があります。

 

システムエンジニアリングは、故障が発生した時に、特に巨大な影響(コストやスケジュール)が発生するときに、効果を感じることができます。(それまでは、単に手間のかかる無駄作業と感じる方が多いのではないかと思います。)

また、プロジェクトマネジメントよりも前の段階から実施しておくことで、より効果的に機能します。

 

システムエンジニアリングは宇宙機の開発から多く広まりました。

現在では、航空機、建設、通信など多くの物に使用されています。

 

それらの分野には、それぞれ、規格、認証、資格があり、システムエンジニアリングを実践するには、管理するための大量の紙を使ったりと、現在のペーパーレスに即さない悪評も上がっています。

 

それは正解でもありますが、うまく使いこなせば小さな労力で実行することも可能です。

 

実際のところ、システムエンジニアリングに対する回答は、自らシステムエンジニアリングを実践し、理解するほかないのです。

 

そのうえで、システムエンジニアリングに対する回答を得るしかないのです。

 

システム思考

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システム思考という言葉を知っているでしょうか?

 

システム思考とは、システムの一部分を確認しながら全体を見渡すことを意味しています。

 

システム思考とは、全体が部分部分が統合された集合体であることを理解することを意味しています。

 

個々のパーツでは見つからない特性を見つけることも意味します。

 

というように、いまいち、具体性の掛けている表現になってしまいます。

 

ラッセル・リンカーン・アコフは次のように述べています。

 

Successful problem solving requires finding the right solution to the right problem. We fail more often because we solve the wrong problem than because we get the wrong solution to the right problem.

http://fearlessrevival.com/russell-ackoff/

 「問題を解決させるには、問題を適切に見分け、適切な解決策を見つける必要があります。正しい問題に対して間違った解決方法を試すよりも、間違った問題を解決して、失敗することがよくあります。」

 

いくつかのアプローチを行い、問題を解決したとしても、実は問題解決に至らない課題に対して注力しており、結果、失敗してしまう。

 

といったところでしょうか、こういったことがしばしば発生し、システム思考が自分たちの組織に合わないと止めてしまうこともあるかもしれません。

 

ラッセル・リンカーン・アコフは、失敗している理由として次のことを挙げています。

 

システムの一部分を改善しても、必ずシステム全体として改善されるとは限らない

優れたエンジニアだとしても、平凡な製品を作ってしまう理由の一つです。

各部分がお互いに適合して、システム全体が成立するという事実を認識することから始まります。

 

問題は分野ごとに整理されているとは限らない

実務上の理由から、各分野ごとに担当や組織が分かれているいますが、問題も同様に分野ごとに分かれているとは限りません。

 

問題に対して様々な角度から検証していく必要があります。

 

問題を発散させず、問題を解決する必要があります。

システムは、問題が無くなるように調整していく必要があります。

 

問題を試行錯誤したり、学術的なアプローチを行ったとしても、必ず問題が前進するわけではありません。

 

 

参考

Was ist Systems Engineering?

https://www.se-trends.de/was-ist-systems-engineering/

Systemdenken: Die Sichtweise von Russell Ackoff

https://www.se-trends.de/systemdenken-russell-ackoff/

 

https://de.wikipedia.org/wiki/Russell_Ackoff

Russell L. Ackoff | Quotes | Systems Thinking Books

http://fearlessrevival.com/russell-ackoff/