人工衛星の振動・衝撃低減のためのエアサス
人工衛星を地球上内に輸送することは大いにあります。
そこに最初に出てくるのはエアサスという言葉です。
初め聞いたときは、会社名だと思っていました。
エアサスとは一部で通じる業界用語のようで、エアサスペンションあるいは空気発条と呼ばれる機構のことです。
航空業界以外では自動車業界でも使われるようです。
もしかすると運送に神経を使う業界、精密機器業界なども知っているのかもしれません。
人工衛星輸送に使われる理由は、振動・衝撃の低減になります。
ロケットの振動や衝撃に耐えられるので問題ないのではないかと考えるのですが、機械的にダメージが蓄積することを心配することが多いようです。
打上げは数時間というレベルなのですが、運送は数日レベルの場合もあります。
可能な限り軽量化したということは、機械的機構部分の強度も落としているということです。
ロケットを打ち上げる射場施設に到着してからだと、外観しか確認できず、内部の蓄積ダメージを確認することができないのです。
もしかするとかつて輸送時に人工衛星に対して、修復困難な損傷を与えた実例があり、慎重になっているのかもしれません。
そのため、輸送トラックや一部の輸送コンテナにはエアサスペンションと蓄積ダメージ確認のために、加速度計が備え付けられています。
参考
人工衛星の地上・海上・航空運送について
地上はトラックや鉄道輸送、海上は船、航空は飛行機になります。
予算によりけりですが、チャーター機を使用することが多いのではないでしょうか。
予算の限られた組織の場合、輸送コンテナを輸送機に搭載するということもあるのではないでしょうか。
輸送については保険・保証も関わってくるので、余計にコストがかかるかと思います。
1UクラスのCubeSat(10cm×10cm×10cmサイズ)になると、少しゴツイ耐衝撃吸収ケースに搭載して輸送することも可能です。
もしかすると3UクラスのCubeSat(30cm×10cm×10cmサイズ)も輸送できるかもしれませんね。
参考
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実は美術も専門の運送サービス
人工衛星や精密機器以外にも、世の中には様々な輸送サービスがあります。
現金輸送サービスもありますが、よく見るのは美術品の運送サービスです。
美術品は、輸送時の温湿度管理や振動・衝撃を管理する必要があります。
それこそ、人工衛星より狭い範囲での環境管理が必要になります。
振動を与えると、美術品が欠けたり、絵画が変色したり、湿気で美術的価値がなくなります。
それはほとんどノウハウなものが大きいです。
かつては1強と言われたこともあるらしいので、気を付けたほうがいいかもしれませんね。
美術品の中には、数百億円クラスの人工衛星と同じ美術品も存在しているのですから。
参考