一発で書き上げられない抗たん性(抗堪性:resilience)
「意味」
航空基地やレーダーサイトなどの軍事施設が、敵の攻撃に耐えてその機能を維持する能力。抗堪力。「抗堪性を高める」
防衛用語なのか、少し荒々しい言葉が目立ちます。
「軍事施設」を人工衛星関連施設に例えると、対象が明確になるのではないでしょうか。
- 人工衛星
- 地上管制局
- 地上アンテナ
- ロケット射場設備
主にこれらの施設が該当されます。
範囲を広げると、設計開発組織施設、提供部品製造施設も含まれてきています。
「攻撃に耐えてその機能を維持する能力」を解釈すると、
何かしらの事情で人工衛星1基が喪失したときに、他の人工衛星で同様の機能が維持できるのか。
いつも使用している地上管制局や地上アンテナが破壊あるいは災害により使用できなくなったときに、別の施設で代替えとなる同等レベルの機能が維持できるのか。
通常使用している射場設備でなくとも、他の射場設備でも人工衛星やロケットを打ち上げることができること、を示しています。
日本政府関係の政策をみると、抗たん性を維持あるいは得ようとしている箇所がいくつか見られます。
この場合は、自国が突発的な災害により一部の機能が喪失した際に回復できないと自覚しており、代替機能となる施設などを増やすべきなので、増やしていこう意味を示しています。
これは自国の機能だけではなく、例えば、海外の製品を利用しており、何かしらの事情で製品を販売していた海外との交易ができなくなった際に、継続的な機能の維持を考えると、別の交易相手や自国での生産能力を上げるための施策を行おうという意味が込められています。
現実を見ると、不足であることを認識しているが、実施可能な予算と、実施可能な企業がないけど、どうにかしたいということが分かります。
初期は、政府主導で進めていたのでしょう。
しかし、海外の政策のスピード感に対して、予算も手も足りなくなってきているのかもしれませんね。
政府主導だけではなく、国内の産業活性も含めて、日本国内発の民間でも運用できるようにフォローしていきます、という表れかもしれません。
デジタル大辞泉の解説
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